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2006.10.29

細見・松岡美術館の酒井抱一

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奈良で“応挙・芦雪展”をみたあと、京都に戻り、“江戸琳派 抱一・其一の粋展”(12/10まで)を開催中の細見美術館を訪ねた。ここの展示室はちょっと変っていて、迷路みたいな導線を通り、小さな部屋をぐるぐる回る感じ。地下まで降りていき、出るときはまた入り口まで上がらなくてはいけないので、おっくうになる。今回もまた疲れた。

今年は江戸琳派の酒井抱一、鈴木其一の当たり年で、あちこちの美術館で名作を何点も見た。バークコレクションには抱一の名品“桜花図屏風”が出てたし、プライスコレクションでは、抱一・其一の一級の花鳥画が光の演出つきで観れた。このふたつだけでも大満足なのに、さらに抱一の“花鳥十二ヶ月図”(三の丸尚蔵館、拙ブログ7/28)、“四季花鳥図屏風”(ホテルオークラ、8/15)、“風神雷神図”、“紅白梅図”、“八橋図”(出光美術館)、“夏秋草図”(東博平常展)と贅沢な展示が続いた。

また、其一についても、代表作の屏風“夏秋山水図”(6/14)が根津美術館で久しぶりに登場したし、“三十六歌仙図”(出光)や“富士筑波山図”(ブリジストン美)も展示された。今年に入って、江戸琳派に目覚め、これらの作品をみた方は、抱一、其一の作品については、もう通になったと思っても間違いはない。それほど、今年は抱一、其一の作品が充実していた。

締めくくりは松岡美術館の“花鳥画展”(前期:9/9~10/26に抱一作品3点を展示、終了)と細見美術館の“抱一・其一展”。細見美術館には質の高い琳派コレクションがあり、シリーズで琳派展を開催中で、今回は4回目。抱一、其一の作品を中心に40点くらいでている。大きな屏風はなく、ほとんどが掛け軸や小さな屏風。うわさに聞く細見コレクションは流石で、名品が揃っていた。

上はその中で特に気に入った抱一の“桜に小禽図”(部分)。縦にまっすぐ伸びる桜の木からは形よく曲がった枝がでて、そこに目に焼きつくほど鮮やかな青い羽根をした瑠璃鳥がとまり、美しく咲き誇る白い桜の花に囲まれている。抱一ならではの上品で優美な雰囲気が漂う花鳥画である。

真ん中の金箔を貼った団扇に描かれた体をすこしひねった鹿にも魅了された。首から胴体にかけて、背骨を濃い茶色の線で太く描き、鹿の体を立体的にみせている。これと同じ描き方で表現された鹿が松岡美術館に展示されていた下の“三笠山”(10/26で終了)にもいた。奇しくも東京と京都で鹿が響き合っていた。

其一の花鳥画では、師匠である抱一譲りの華やかな画面の“梅椿に小禽図屏風”や秋の風情が感じられる“月に葛図(くず)”に惹きこまれる。この美術館の江戸琳派コレクションを見たので、抱一・其一も済みマークがつけられる。これからは琳派作品が数点ずつ展示される畠山記念館のコレクションを気長に待つことにしたい。

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コメント

こんにちは。
細見美術館に行かれたのですね。
私はこの夏帰国しているときに東京でプライスコレクション展を見逃したので、そのせめてもの慰めに細見美術館のリクエスト展を見に行きました。大好きな美術館です。
吹き抜けのあるモダンな作りでおしゃれな分、おっしゃるように展示を見るにはあまり実用的ではないかもしれませんね。でもその時一緒に行った友人が赤ちゃんを連れてきたのですが、入り口で「それならエレベーターをどうぞ」と言ってくださり、展示室から展示室へ移動するときにスタッフの方が毎回業務用のエレベーターに案内してくださり丁寧な対応に感心しました。
フランスではまずありえません(笑)

投稿: あかね | 2006.10.30 07:45

to あかねさん
おはようございます。京都にお帰りになったとき、
今、京近美で開催中のプライスコレクション展が
あったらよかったですね。

細見美術館は人気がありますね。平日でも結構混
んでます。ショップの隣にある喫茶室はいつも賑や
かですね。地下が深い分、のぼりもちょっとしん
どくなります。

ここは大ブレイク中の若冲、エルメスの社長が絶賛
した神坂雪佳、そして琳派といい作品を沢山所蔵
してますね。ここの名品ももう一回くらい行けば済
みマークがつきそうです。来年はじめ、京博で京都御所
障壁画は初公開されますから、そのときにでもまた
寄ってみようかなと思ってます。

投稿: いづつや | 2006.10.30 10:32

4/3から畠山記念館で『琳派 四季の”きょうえん”』展が開催されるようです。

畠山記念館所蔵のすばらしい琳派の作品がいっぺんに見られそうですよ。

投稿: いぬまゆ | 2007.03.12 14:04

to いぬまゆさん
畠山記念館のHPに4月以降のスケジュールが
でてこないので、助かりました。有難うございます。

琳派作品で今年のターゲットは畠山に決めてまし
たから、この展覧会は願ったりです。手元の図録
に掲載されてあるのが全部済みになるくらい展示
してくれるといいのですが。

投稿: いづつや | 2007.03.16 11:53

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