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2006.10.30

京博の京焼展

529現在、京博で行われている“京焼展 みやこの意匠と技”(11/26まで)はやきもの好きにはたまらない空前絶後の大展覧会。

地元での京焼展だけに国内やイギリスの美術館および個人コレクターからよく知られた名品をありったけ集めている。

昨年10月、東博であった“伊万里、京焼展”も優品揃いだったが、今回はそのときでた名品のいくつかを再度展示し、さらに数、質共にスケールアップしたものになっているので、館内では心拍数が上がりっぱなしだった。追っかけていた作品が幸運にも見れたから、東京展の出品作と併せると、京焼については、この先当分はお休みできる。

まず、お目当ての野々村仁清から。圧巻は色絵茶壺が飾られている部屋。茶壺の代表作を一度にこれほど多く観たのははじめて。華麗な色絵装飾に頭がくらくらする。一番大きい茶壺“罌粟文(けしもん)”(出光美、展示は11/5まで、拙ブログ05/6/3)、何度観てもうっとりするほど美しい“吉野山図”(福岡市美)、長らく追っかけていてやっと会えた“山寺図”(根津美)、黒釉の器面に緑の若松、赤の梅が映える“若松図”(文化庁)、優美な作風で観る者を酔わせる“月梅図”(東博)、鳳凰が四方に配された大きな茶壺“鳳凰文”(出光)。

また、型造りの彫塑作品を代表する“色絵法螺貝香炉”(静嘉堂文庫、05/6/21)、“色絵雉香炉(雌)”(石川県美、11/14まで)もある。これらは全部重文。さらに、あと2点、国宝“色絵雉香炉(雄)”(石川県美、11/14~26)と胴部四面に窓枠をつけ牡丹花を描いた装飾性豊かな“色絵牡丹図水指”(重文、東博、11/7~26)が展示される。仁清作品で著名なMOA蔵では、国宝の色絵茶壺“藤花文”は残念ながら出てないが、金銀で彩色されたモダンな菱文が美しい“色絵金銀菱文重茶碗”が目を楽しませてくれる。色絵だけでなく、“銹絵水仙文茶碗”やヴィクトリア&アルバート美から出品された“銹絵法螺貝香炉”などの優品がいくつもある。

今回、仁清とともに見ごたえがあったのが古清水様式のやきもの。右は是非ともみたかった“色絵秋草文徳利”。形のいい徳利に鮮やかな緑、金彩、朱彩で描かれた秋草の絢爛さに目を奪われる。まるで高台寺蒔絵を見ているような気分。ほかにも“色絵竹文徳利”、二つの手鉢がくっついた“梅文菱繋手鉢”、透かしと意匠が見事に溶け込んでいる古清水独特の“色絵菊文七宝透手焙”、現代でも通用すると思われる青と緑の斬新な市松模様が目を惹く色絵角皿“松竹市松文”などに魅了された。

乾山焼もおなじみの“銹絵楼閣山水図四方火入”(大和文華館)、“色絵銹絵龍田川向付”(MIHO MUSEUM)といった名品が沢山出ている。大京焼展に200%満足した。京博に感謝。

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コメント

はじめまして。
昨日、お気に入りに登録させていただきました♪
「応挙と芦雪」展を検索して貴兄のブログにたどり着き、
すっかり長居をしてしまいました。
アート全般、見るのは大好きなのですが、
京焼というか焼物全般に関しては
見る目も知識も皆無に近いので
今回の京博はパスしようかと思っていましたが
貴兄の喜々とした鑑賞記を読むと
ともかく行ってみようか…という気にさせられました。
近いうちに行ってこようと思います!
ブログ楽しみにしているので
これからも様々な展覧会紹介してください!!

投稿: dennen | 2006.10.31 18:31

to dennenさん
はじめまして。書き込み有難うございます。今度の
京都・奈良美術旅行は応挙・芦雪展と京焼展をみる
ためでした。京焼展は仁清の色絵茶壷でまだみて
ない根津美術館所蔵の“山寺図”に期待してました。
予想したほどの大きさではなく、小ぶりですが、
金彩の山寺が輝く華麗な茶壷でした。

この茶壷が飾ってある部屋は本当に凄いです。“芥
子図”と“吉野山図”が一緒に見られるなんて滅多
にありません。是非ご覧になってください。これか
らもよろしくお願いします。

投稿: いづつや | 2006.10.31 23:12

いづつやさん、こんばんは。
私も土日で京都に行ってきました。紅葉の季節なのに美術館めぐりで終始してしまいましたが(笑)

さて、以前いづつやさんからお勧めのあった福岡の「吉野山図」をようやく観ることができました!金と薄紅を溶かしたような靉靆たる桜色や、遠くの山並みの青の美しさ...華麗な吉野桜の世界を私もうっとりと眺めてしまいました。本当に仁清のハイセンスで洗練された世界は凄いですよね。色付けだけでなく造形自体の美しさ...それを支える轆轤の技術力にも参ってしまった展覧会でした。

投稿: 花耀亭 | 2006.11.27 02:56

to 花耀亭さん
大満足の京焼展でしたね。長いこと追っかけていた
根津美蔵の仁清茶壷“山寺図”を観るために出かけた
のですが、茶壷の代表作がどどっと飾ってあったの
クラクラしました。こんな贅沢な展示はこの先当分
ないでしょうね。

“山寺図”は小ぶりでしたが、ゴールドの装飾がいい感
じで、感激しました。そして、“吉野図”と4年ぶりの再会。
壷の形と描かれた絵がぴったり合ってますね。観てる
だけで華やいだ気分になります。茶碗に較べ、茶壷は大
きいですから、本当に見ごたえがありますね。

念願の“山寺図”がみれましたので、仁清の色絵茶壷は
代表作を全部制覇したことになります。横浜に帰って
から、静嘉堂文庫の“吉野山図”と根津美の“山寺図”
がこんなに早くみれるとは思ってもみませんでした。
念ずれば通じるものですね。

投稿: いづつや | 2006.11.27 17:36

いづつやさん、こんばんは
昨年の東博、そして今回の京博、MOAの藤花文は既に見ていますから、私も仁清は「済」がつくかと思いましたが、出光の「罌粟文」がマダなのでもう少しです。
これからは仁清以下の京焼の名工たちの作品に触れて、京焼の伝統や意匠がわかるようになりたいですね。
ただ、御室焼が仁清一代で廃れてしまったのは寂しいです。
やはり流行といったものが反映しているようで、そこは生活と密接しているのでしょうか?
見に行けて良かったです。

投稿: アイレ | 2006.11.27 20:56

to アイレさん
出光の“芥子文茶壷”は名品展で12/24までずっと
展示されてますから、アイレさんも済みマークがつき
そうですね。茶壷のなかではこれが一番大きくて、絵柄
もいいですからグッときます。

御室焼が仁清一代で終わったのは残念ですが、仁清は
乾山に陶芸の秘伝一切を贈ってますから、乾山焼に仁清
の技が受け継がれています。仁清は名人気質の芸術家
でしたが、後を継ぐはずの息子たちは並みの才能しかな
かったようで、嫡男を乾山の鳴滝窯で手伝わせたり、妾と
の間にできた子供を乾山の養子にしています。

投稿: いづつや | 2006.11.27 23:22

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受信: 2006.11.27 20:22

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