« モダン・パラダイス展のゴーギャン | トップページ | ブリジストン美のグロス »

2006.09.17

岸田劉生の二人麗子図

473泉屋博古館分館と大倉古集館へは展示品が変る度に通っているわけではないが、展覧会のスケジュールは定点観測している。

大倉集古館の“ゴールド展”は過去に見た作品が多いのでパスすることにしたが、泉屋博古館の住友家が収集した近代洋画コレクションには関心があった。それはチラシのせい。

チラシには“近代洋画の巨匠たちー浅井忠、岸田劉生そしてモネ”(10/9まで)とあり、モネの字をとくに大きくしている。住友が所蔵するモネの作品はあまりお目にかかったことはないが、モネファンとしてはこのアイキャッチが気になるところ。が、期待三割、リスク7割で入館してみた。

展示品は50点あまり。ほとんどが日本人が描いた洋画で、外国人画家のものはモネの2点、知らない画家、ローランスの2点のみ。モネの“モンソー公園”と“サン・シメオン農場の道”は残念ながら、モネを強調するほどのこともないアベレージの作品だった。が、はじめから期待値は三割なので、不満が募るということはない。

日本人画家の絵で期待してた梅原龍三郎の“北京長安街”もそれほどでもなかった。だが、赤が生き生きした“薔薇図”があったので救われた。収穫は山下新次郎の“読書の後”。元来日本人洋画家の作品に対し、関心が薄いため、東近美でもブリジストン美でも絵の前で長く立ち止まることはあまりないのだが、最近山下新次郎が描く女性に惹きつけられることが多くなった。

今回展示してある“読書の後”の女性も大変美しい。どうやら東近美の“窓際”、ブリジストンの“読書”で描かれている外国人女性と同一人物のようだ。山下の作品は現在のところこの3点しか見たことがないが、俄然他の絵もみたくなった。

岸田劉生は右の“二人麗子図(童女飾髪図)”、“自画像”、“晩秋”の3点。どれも予想にたがわぬいい絵。“二人麗子図”は70点ちかくある“麗子図”のなかでは最も大きな作品。この絵とはここ2年毎年対面している。昨年はホテルオークラの“アートコレクション展ーきらめく女性たち”。今年は東京美術倶楽部であった“知られざる名作展”にもでていた。観るたびにうっとりする麗子像である。お河童髪をした麗子のつややかで白く輝いている顔と暖かそうな感じがする赤の着物の質感に惹きつけられる。

東博が所蔵する“麗子微笑”(重文)をはじめ代表的な麗子像はだいたい見た。残るは“二人麗子図”と顔の描き方が似ている“麗子住吉詣之立像”。これは個人蔵なのでいつみられるか見当もつかないが、お目にかかれるのを信じてじっと待っておこう。これまで書いた岸田劉生の記事は05/10/2312/21

|

« モダン・パラダイス展のゴーギャン | トップページ | ブリジストン美のグロス »

コメント

こんにちは
山下新太郎は少し以前にブリヂストンでも特集が組まれまして、色々よい作品を見ました。
とても家族仲のよかった人で、奥さんやお嬢さんたちをモデルにもしたようです。

劉生は京都暮らしもしていたので、こちらにもたくさんありますが、一番びっくりしたのはニューオータニの『麗子16歳図』でした。

わたしは近代日本洋画も大好きです♪

投稿: 遊行七恵 | 2006.09.18 10:35

to 遊行七恵さん
これまでみた山下新次郎の3点のなかでは、今回の“読書の後”がいいですね。
藤島武二の女性画もお気に入りですが、山下もぐっときます。ちょっと嵌りそうです。

岸田劉生の麗子像とは一生つきあっていくような気がします。静物画も上手いし、
やはり岸田劉生は天才ですね。

投稿: いづつや | 2006.09.18 23:32

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 岸田劉生の二人麗子図:

» 近代洋画の巨匠たち 泉屋分館 [遊行七恵の日々是遊行]
一枚のチケットで三つの展覧会を楽しませてもらった。 泉屋分館の洋画を見た。 京都の本館ではあまり洋画展は行なわれない。 だからわたしは住友所有の洋画はここで見ている。 藤島武二「幸ある朝」 一通の手紙が喜びを... [続きを読む]

受信: 2006.09.18 10:29

« モダン・パラダイス展のゴーギャン | トップページ | ブリジストン美のグロス »