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2006.09.24

奈良美智の A to Z 展

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青森県立美術館の目玉作品はシャガールの“アレコ”のほかにもうひとつある。弘前市出身の現代アーティスト、奈良美智がこの美術館のために制作した上の高さ8.5mの立体作品、“あおもり犬”。

これは地下2階の屋外トレンチに設置してある。奈良がつくった作品のなかでは最も大きいものらしい。ペットを飼う習慣がないので、犬の種類やしぐさに詳しくないが、真正面から向き合いことになるこの馬面の“あおもり犬”は従順そうでやさしい顔をしている。雪の時期、大人も子供も被る耳あてみたいに先が曲がっている耳のかたちが面白い。

常設展示小屋、“ニューソウルハウス”には美術館が所蔵する奈良の絵画やつくりものがある。奈良美智が生み出すあの目と目の間がすごくあいている女の子の絵に少ない観賞体験(拙ブログ05/12/13)ではあるが、大変愛着を覚えているので、いろんなシチュエーションの中で表現されたこのキャラクターを夢中になってみた。“あおもり犬”と“ニューソウルハウス”を常時みられる青森の人が羨ましい。

8/17付けの朝日新聞で奈良美智の大規模な展覧会、“A to Z”(10/22まで)を知った。もともとシャガール展に出かけることにしていたから、この情報は飛び上がるほど嬉しかった。で、青森市で一泊し、翌日、会場の弘前市吉井酒造煉瓦倉庫を目指した。会場につくまで岩木山の素晴らしい景色にため息をつきながら、クルマを走らせた。これが有名な岩木山かという感じである。

元酒造所の1、2階を使って、奈良の展覧会が開かれるのは3度目だそうだ。今回は倉庫のなかに44の小屋ができている。レイアウトのチラシを入り口でもらったが、それはみず、どんどん見てまわった。目をつりあげて怒っている女の子が登場する作品に出会うと思わず口元がゆるむ。この女の子が大好きなのである。また下のとじた目とつむんだ口がなんともかわいい女の子をみるとほっとする。髪のなかに星がきらきら輝くメルヘンチックなイメージが絵の魅力を増幅させている。

今回の収穫はいくつかあった白の人物オブジェ。どういう仕掛けになっているのかわからないが、右目から涙をながしている数体の子供の顔が三段重ねになっていた。これが心を揺すぶる。そして、2階にあったオブジェに感動した。柔らかい素材でできた黒い地面におかっぱ髪で目をつむった女の子の頭部が3つ置かれている。大きくて白一色なので存在感がある。念願だった奈良美智の作品を沢山みることができて、これほど嬉しいことはない。まだ出来てない図録が送られてくるのが待ち遠しい。

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