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2006.08.09

彩色兵馬俑展

452最近は古代中国の文物が頻繁に日本にやってくるから、兵馬俑といってもそれほど驚かないが、今回は彩色のものが展示されるというので江戸東博に出かけてみた。

この兵馬俑展は司馬遷の“史記”と関連づけて、春秋・戦国時代から前漢の武帝時代につくられた傭、装飾品、武具などを120点あまり展示している。会期は10/9まで。

秦の始皇帝陵の近くで発見された兵馬俑は昨年みた2回をふくめて過去5回くらいみた。はじめのころは将軍や兵士の傭だったが、発掘作業が進むにつれて兵士以外の文官傭も登場してくる。今回はあらたに雑技(サーカス)の芸人、太った力士の傭(百戯傭)が加わり、はじめてみる青銅製の白鳥や鶴、雁もあった。

1974年に発見された兵馬俑もその後にでてきた傭、副葬品もみんな一度訪れたことのある“兵馬傭抗”から出土したものと思っていたが、この知識がアバウトで正確さを欠くものであることがわかった。会場にあったパネルで見つかった場所を確認すると、文官傭とか百戯傭、銅車馬は始皇帝陵墓の周りからでている。そして、青銅の鶴や楽士傭は00年、陵墓の北北東2kmの水禽抗で発見された。

展覧会の目玉である右の彩色の兵馬俑が出てきたのは陵墓から東1.5kmにある兵馬傭抗の2号抗。片ひざをついて弩をかまえる兵士の傭は前、見たことがあるので何が目新しいのかピントこなかったが、彩色がよく残った兵士のものは99年にはじめて見つかったという。家に帰って過去あった展覧会の図録をチェックすると、たしかにこれらはいつもの土色の傭だった。

現在、8体の彩色の跪射傭が保存され、目の前にあるのは今回日本とドイツで世界初公開されたものである。赤は鎧の首まわり、肩、下の部分と頭の毛を束ねたところにつけた飾りにしっかりと残っている。出口近くで当初の彩色具合をVR映像で再現していた。これをみると、鎧は黒をベースに赤、鎧の下の長衣は鮮やかな緑とカラフルな色彩である。この兵馬傭でもうひとつびっくりするのが髪の毛の表現。巻き方、網目、前髪を左右に分けたところが実にリアル。

前漢(BC2世紀)の景帝の陽陵から出土した傭にも興味をそそられる。衣装の赤や青の線が目を楽しませてくれる“彩色女官傭”、額に赤い絹の鉢巻のあとが残る“彩色頭傭”、鶏、犬、豚などの“家畜傭”に目が釘付けになった。

西安では現在、新しい博物館の建設、遺跡の整備がどんどん進んでいるようだ。06年4月には陽陵の外蔵抗を見せる地下展覧館がオープンしたという。西安はデジタルシルクロードプロジェクト(拙ブログ05/12/17)だけでなく、文化施設の建造にも積極的に取り組んでいる。この地下展覧館を見たくなったので、NEW西安旅行計画が早まるかもしれない。

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コメント

彩色が残っている兵馬俑は、珍しいのではないでしょうか。ぜひ、見にいきたいです。中国の美術史では、俑の占める意味は大きいと、私的には思っていますので、こんど上京の際には、ぜひ訪れたいと思いました。

投稿: 自由なランナー | 2006.08.10 23:13

to 自由なランナーさん
小旅行に行ってまして、返事が遅れました。すいません。前にみた跪射傭
は色も残っていた印象があったものですから、世界初公開というが、同じ
ものをまた持ってきたのでは。いつもの“一粒で2度おいしい”展示じゃ
あないのと半分?ででかけました。でも、彩色の兵馬俑が中国国外にでた
のは今回がはじめてのようです。

投稿: いづつや | 2006.08.12 17:37

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