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2006.08.12

奥入瀬渓流

453東北を旅行し、念願の奥入瀬渓流をみてきた。

余暇の過し方では、美術品鑑賞と旅行が大きな楽しみとなっているので、粗々だが中期的な東北旅行計画をつくっている。

2年前からそれを実現し、今年の訪問先は奥入瀬と決めていた。クルマで行くか、旅行会社の宿泊パックツアーを利用するかは距離の長さなどを考慮して決めているが、奥入瀬は遠いのでパックツアーにした。

福島駅までは新幹線で、そこから先はバスで移動。行程は平泉・中尊寺→八幡平アスピーテライン・山頂→十和田湖、2日目が十和田湖畔→奥入瀬渓流散策→松島。観光地のうち、中尊寺、松島は3度目だが、八幡平、十和田湖、奥入瀬渓流ははじめていくところ。中尊寺と松島は前回の感動を思い出すというよりは、記憶力が衰える速さに不安を覚えるといったほうがいいくらいである。自分の記憶力とは関係なく、この二つは訪れる度に大きな感動を与えてくれるのだから、東北、いや日本を代表する観光地の一つと言っていい。

では、お目当ての奥入瀬渓流はどうだったかというとこれがまた素晴らしかった。いい所だろうなと想像していたが、これをはるかに上回っていた。十和田湖の子の口(ねのくち)からはじまる奥入瀬渓流は焼山まで距離でいうと約14.2km。この間を歩くとだいたい4時間くらい要するという。このツアーでは全部を歩くほどの時間はとってないので、参加者は石ヶ戸(いしげど)の手前のところでバスから降り、そこからお土産屋やWCのある石ヶ戸まで散策することになる。いわゆる感動二段重ね。

まずはバスの中で名調子のガイドさんがチラシを使って、右左に流れを変える渓流の名所スポットを説明してくれる。“もうすぐ、一番の見所、銚子大滝が見えますよ!”、“ここの景観をまとめて一万一千百五両の眺めと呼んでます”、“この滝、白い布のように見えるでしょう、白布の滝です”、“右が奥入瀬の代名詞ともいうべき絶景スポット、阿修羅の流れですよ、凄いみずしぶきでしょう!”

渓流の壮観な流れ、上からおちる色々なタイプの滝、複雑に交錯する樹木の重なり、これまで九州の耶馬溪とか、岐阜のほうの渓流とかをいくつか見たが、これほど感激する渓流ははじめて。素晴らしい自然の美にテンション上昇度は200%だった。さらに、バスを降りて30分くらいの散策がまたいい気持ちにさせてくれる。この渓流ではマイナスイオンが沢山でているにちがいない。

途中、びっくりする光景に出くわした。黒の揚羽蝶がいたのである。川端龍子作、“阿修羅の流れ”(拙ブログ04/11/26)の揚羽蝶は龍子の心象風景として描いたのかなと思っていたが、実際、蝶が飛んでいた!右は奥入瀬に是非行ってみたいと思うきっかけとなった絵(東京都現代美術館蔵)。描いたのはカラリスト、小野竹喬。竹喬の作品では一番惚れている絵である。言葉は無用。絵のイメージと実際の奥入瀬がぴったり一致した。心が癒される奥入瀬の渓流を肌で感じ、画家の高い画技にただただ感服するばかり。

ガイドさんによると、ここで絵を描いている人が結構いるとのこと。龍子、竹喬のほかにも安井曽太郎や奥田元宋、平山郁夫など著名な画家も奥入瀬を描いているのだから、この景色はプロ、アマチュア画家の絵心を刺激するのであろう。

これまで心を揺すぶられた景勝地はいくつもあるが、奥入瀬渓流はエポック的な出会いの上位にあげられる。次回はもっと時間をかけて、じっくり歩いてみたい。

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