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2006.07.03

ルーヴル美術館展

424東京芸大美術館で開催中の“ルーヴル美術館展”(8/20まで)は開幕して3日後に見た。

多くの人が入場していたが、大混雑というほどではなく、メイン会場である3階に展示してあった作品をじっくりみることができた。ここは外から光が入り、明るく開放的な展示空間だったので、とても気持ちがいい。

ルーヴル美術館は15年前に行ったきりなので、古代ギリシャ彫刻の印象もだんだん薄れ、今では04年のギリシャ旅行で見た大理石やブロンズ彫刻、陶器、黄金の装飾品によりギリシャ美術のイメージができあがっている。今回の出品作はギリシャでの鑑賞体験や図録などで得た知識を補強する上で大変役立ち、見入ってしまうものが多かった。

ローマ時代の模刻とはいえBC5世紀からBC4世紀のクラシック期の彫刻が目の前にあるのだから、テンションはかなりあがる。展示リストの原作者をみるとその頃の大彫刻家がずらっと出てくる。アテネのパルテノン神殿の総監督フェイディアス、ポリュクレイトス、アルカメネス、クラシック時代後期(BC380~330頃)に活躍したプラクシテレス、スパコス、リュシッポス。

展覧会の売りはプラクシテレスの“アルルのヴィーナス”。ヘレニズム期、BC100頃の“ミロのヴィーナス”に較べると、あまり官能的でなく穏やかで優雅なやさしさが感じられるヴィーナスである。横からみた端正な顔がとても美しい。このヴィーナスに負けず劣らず魅力的な顔をしているのが“カウフマンの頭部”。男性裸体像で美しさが目立つのがエラフラノール作、“ガニュメデス”とプラクシテレスの“とかげを殺すアポロン”。プラクシテレスはかつては大蛇を殺したアポロンを女のような体をした少年として表現している。後ろからみてもふくらはぎはなく、すらっとした足。

これに対し右のアルカメネス作、“ボルゲーゼのアレス”(BC420年頃)は典型的なギリシャ彫刻。ここには力強さと優美さが一体となった理想的な肉体美が見られる。ぐるぐる何回もまわってみたが、どこから見てもグッとくる。筋肉逞しい肉体だけでなく、頭に被っている兜にも目がいく。作品のなかでは一番魅せられた。また、アレクサンドロス大王の宮廷彫刻家であったリュシッポスの“ヘラクレス”にも足がとまる。頭や手が欠けているが、怪物やライオンをやっつけたヘラクレスの豪腕ぶりが伝わってくる見事な作品である。

流石、ルーヴル美術館。作品のレベルがちがうという感じ。満足度150%の展覧会であった。

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コメント

私も6月末に観てきました。
大きな大理石の彫像だけでなく
小さなテラコッタの婦人像や金の装飾品とかもあって、
彫刻一辺倒かと思いきや
古代ギリシャの人々の生活にも触れられた内容なのが
興味深かったです(^ ^)

投稿: gem | 2006.07.06 12:46

to gemさん
ルーヴル美術館もだいぶご無沙汰してますので、ギリシャ美術のコーナー
にこんな彫刻があったっけという感じで眺めてました。ギリシャ旅行で魅せ
られた彫刻、金細工、陶器が沢山あり、大変満足しました。

gemさんのおっしゃるように、面白いテラコッタの仮面とか動きのある
聖火リレーを絵柄にしたオイノコエなどからも古代ギリシャ人たちの生活
のひとコマが窺がわれますね。

歴史が好きなものですから、古代遺跡関連の展覧会ははずせません。次の
楽しみは“ペルシャ文明展”(8/1~10/1、東京都美術館)です。

投稿: いづつや | 2006.07.06 16:19

いづつやさん、こんにちは
ルーヴル美術館展に行ってきました。
彫刻はローマ時代の模刻ですか…とは言え貴重な文物であることには変わりありませんので、じっくりと見てきました。
(思いのほか混雑していなかったのも幸いでした。)

私的には英雄や神々よりも市井の人々の生活を映した彫刻等が良かったと思いましたが、ルーヴルで(かれこれ8年前です)見た記憶があまりありません(苦笑)

投稿: アイレ | 2006.08.21 18:22

to アイレさん
ルーブル美術館へ行ったのは私もだいぶ前ですから、ここにある彫刻で
くっきり記憶に残っているのは1点もありません。当時は一体どこを見
てたのでしょう?

こういう彫刻作品を通じて古代の人々の生活を想像するのも楽しいですね。
2年前ギリシャを旅行し、大理石やブロンズの像を沢山見ましたから、
今回の展覧会はさらに目を馴らすいい機会でした。

投稿: いづつや | 2006.08.22 17:42

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受信: 2006.08.21 18:11

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