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2006.07.06

広重の東海道五十三次シリーズ

427歌川広重が描いた風景画の傑作、“東海道五十三次”にはいくつか別ヴァージョンがある。

馴染みのものは広重が37歳のときに刊行した“保永堂版”。これが大ヒットしたので、広重はその後亡くなる(1858)前年まで、20種以上の東海道シリーズを描いた。太田記念美術館では現在、そのなかの主要シリーズを展示している。日本橋から26宿目の掛川までは前期で終了し、後期(7/1~17)は27宿目の袋井から終着点の京三条大橋まで。

“保永堂版”(1833年)のほかの東海道とは?時間軸でみて早いほうから並べると、
1840年    狂歌入東海道 
1841~42年 行書東海道 
1849~50年 隷書東海道 
1848~52年 美人東海道 
1852年    人物東海道 
1855年    竪絵東海道 

狂歌入、行書、隷書東海道というのは過去あった浮世絵展で時々みたことがある。直近では、鋸南町の菱川師宣記念館に“狂歌入”が全点でていた。今回はじめてみたのが美人、人物、竪絵東海道。“美人”は宿場の風景がでてくる画中画を背景にして女性が描かれた縦長の絵。

これらの東海道シリーズは絵の価値としては保永堂版には敵わない。保永堂版を10点とすると平均的には6点くらいの作品である。登場人物が多く、ごちゃごちゃしてたり、構図も悪くはないが、“保永堂版”のようにハットさせられたり、動きがあるものが少ない。だが、なかには8点を与えてもいいのがある。

後期の作品では、大きな遠州だこが目を惹く“袋井”(隷書)、波の描写と真ん中にある2本の松が印象深い“浜松”(隷書)、構図と緑の色が冴える“荒井”(隷書)、手前に大きく描かれた渡舟と遠景の小さな鳥の対比が見事な“桑名・七里の渡舟”(隷書)、広重が得意な雪景色の“石薬師”(行書)など。

右は6点くらいの絵だが、描かれている場面に引きつけられた“大津”(隷書)。拙ブログで取り上げた大津絵を売る店を描いている。旅人が土産物として買った大津絵がこんな風に売られていたのかと興味深くみた。アイチャッチに“鬼の念仏”が飾られている。店の中では旅人が4枚の絵の中からどれを買おうかと思案中。これはいい絵をみた。

今回の展覧会で広重の東海道シリーズは終了。次の狙いは“木曾街道六十九次”。千葉市美術館で開催される“東海道・木曾街道展”(9/5~10/9)が待ち遠しい。

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