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2006.07.19

民藝運動の巨匠展

106日本民藝館の創設70周年を記念した第2弾の特別展“民藝運動の巨匠展”(9/24まで)をたっぷり楽しんだ。

民藝派陶芸家が好きな人にはたまらない名品がずらっとでている。出品数は河井寛次郎、濱田庄司、バーナード・リーチ、富本憲吉に染色家の芹沢銈介、板画家の棟方志功の作品を加えて約200点。節目の年ならではの嬉しい展覧会である。

04年に濱田とリーチのミニ特別展(拙ブログ04/12/3)があったので、2人の作品はかなりみたつもりだが、まだまだ新しいのがでてくる。一体ここには全部で何点くらいあるのだろうか?河井の制作拠点が京都だったことと関係してるかもしれないが、濱田とリーチの作品のほうが充実しているような気がする。

とくに濱田の作品に圧倒される。前回でてた“緑釉黒流描大鉢”にまた会った。勢いよく掛けられた黒の太い線でできあがる模様は計算されたものではなく即興的にうまれたものだろう。これが観る者にほどよい緊張感を与えてくれる。濱田庄司の鋭い感性が現れた傑作である。大鉢はもう1点、灰地に格子の変形タイプがでている。

大鉢とともに濱田の陶芸でぞっこんなのが赤絵の作品。今回は“白掛赤絵鉢”、右の“赤絵丸紋角瓶”、“赤絵酒注”があった。“赤絵丸紋角瓶”をやっとみれたので嬉しくてたまらない。石膏型で成形された角瓶の形にグッとくるが、心を揺さぶるのは白地に伸び伸びと描かれた円文と線模様の赤と草花文の緑。すっきりした色の組み合わせがなんとも心地いい。

河井では代表作のひとつ、“呉須辰砂丸文草花図角瓶”や“点彩角瓶”、“海鼠釉扁壺”も目を楽しませてくれる。前回の“濱田・リーチ展”でリーチの素晴らしい素描に驚いたが、またまたいい絵があった。“宍道湖”、“瀬戸内海”、“巡礼”、“ヨセミテ”。余白をたっぷりとる構図は東洋人の絵心と変わりない。どんしてこんなに上手なのだろうか?

リーチお得意のガレナ釉の代表作、“兎文大皿”、“櫛描柳文楕円皿”はいつみても感激する。モティーフとして使う兎とかペリカンとか蛸の形は簡略的だが、その姿には動きがあり、強い生命力がつたわってくる。ラスコーの洞窟に描かれた鹿やバイソンにも通じるリーチの鳥や生き物の大皿は魅力いっぱいである。

棟方志功の作品は横浜そごうで開かれた“棟方志功と柳宗悦展”(5/12~6/11)にもでていた。生まれたばかりの赤子のまわりで万歳をする女性たちが描かれた“再誕の柵”やうすい朱色が印象深い“観音経曼荼羅”に足がとまる。芹沢銈介の染色作品を普段見る機会がないので、こうしていくつかの名品がみられるのは有難い。型染の“いろは屏風”、“四季屏風”、“琉球風物”などが飾ってある。そのなかで美しい赤に目を奪われる“琉球風景”を夢中になって観た。

民藝派ビッグネームの作品の魅力をあらためて確認することのできる貴重な展覧会であった。

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コメント

僕も行ってきました、リーチの素描にはちょっと驚きましたね。
あと江戸時代の錠前とか、金魚鉢とかいかにも「用の美」を追求した展示作品も多かったですね、この民藝館の所蔵品数はいかほどになるのでしょうか。
ところで柳の自邸公開とかで一部で盛り上がっているようですが、いづつやさんはご興味ありますか。

投稿: oki | 2006.08.08 22:18

to okiさん
何処の美術館でも記念展は名品がどっと出てきますので見逃せないですね。
効率がいいです。濱田やリーチのほかにも江戸時代の民芸品などがいくつ
もありましたね。柳の家は訪問したとき、ラッキーにも公開してました。
普通の家ですね。

投稿: いづつや | 2006.08.09 17:32

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