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2006.06.06

梅原龍三郎展

471日本橋三越で開催された“梅原龍三郎展”(5/16~28)を観た。

東近美や大原美術館などによく出かけるので代表作はだいたい観ているはずだが、これまで画業全体をみることのできる回顧展には縁がなかった。今回は中規模の回顧展。図録も手に入ったから、カラリスト梅原龍三郎の絵をじっくり眺めることができる。

花、風景、人物、裸婦などをモティーフにした作品が60点あまり出品されていた。花の絵をみた経験がないので、すごく新鮮。薔薇の絵が多い。花の形をばっととらえ、勢いよく描いた感じである。赤を多用した鮮やかな色彩の対比が目に焼きつく。

風景画では“富士山図”と右の“朝陽”に足がとまる。“朝陽”は大原美術館が所蔵する作品なので、広島にいるときこの美術館で何回か見た。うす紫の富士山、空は緑、雲は赤。実景の色ではないのに美しく感じられる。絵画芸術のもつ不思議な魅力である。フォーヴィスムのマチスやドランもこの絵の色使いには唸るのではなかろうか。ほかにも浅間山、パリの風景、北京の故宮などを描いたものがあるが、ぐっとくるのはない。

浅間山の絵なら“噴煙”(東近美)がいい。この絵が04年にあった“琳派展”に出品されたときは、最初はその理由がわからなかった。が、絵をよくみると、油絵の具に加え、岩絵の具(緑青、群青、金泥)が使われ、装飾性を増していた。梅原はルノワールの弟子で洋画一辺倒の画家だとばかり思っていたが、日本の風景を表現するのにこんな工夫をしていたとは。びっくりすると同時にこの画家の真摯な創作態度に感激した。梅原は桜島もよく描いている。今回は出てないが“桜島(青)”(東近美)はお気に入りの名画。3/5まで平常展にでていた。

東近美には北京を描いた代表作、“北京秋天”がある。風景画で一番好きなのが北京三部作。“紫禁城”(拙ブログ05/2/9、永青文庫)、“雲中天檀”(京近美)、“北京秋天”。北京の町を骨太い輪郭線、伸び伸びとしたタッチ、緑や赤の明るい色彩で見事に描いている。いつみても美しい絵だなーと見蕩れてしまう。

風景画に較べると、人物、裸婦での感激度は小さいが、はじめてみる“純子像”や大作“パリスの審判”に魅せられた。裸婦では大原美にある“竹窓裸婦”が忘れられない。緑色の裸婦は衝撃的だった。またいつか、この絵を見に倉敷を訪ねようと思う。

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コメント

こんばんは☆rossaです。梅原龍三郎氏の<薔薇>大好きです。震えがくるほど迫力ある薔薇☆ですね。すごい☆です。

投稿: rossa | 2006.06.07 21:18

いづつやさん

この展覧会にはわたし(a)は行けませんでしたが、代わりに行った家内(t)が こんなにこの画家の作品をまとめてみたのは初めてだといっていました。その感想↓
http://cardiacsurgery.hp.infoseek.co.jp/JA061.htm#060521
お時間があればご笑読下さい。

投稿: とら | 2006.06.07 21:27

to rossaさん
カラリスト、梅原龍三郎の作品を堪能しました。花の絵に縁がなかった
のですが、赤が目に焼きつく薔薇の絵に感動しました。若いときの写真が
図録に載ってましたが、坂東玉三郎のような美青年ですね。へえー、
まさにトリビアの泉でした。

投稿: いづつや | 2006.06.08 22:51

to とらさん
奥様の鑑賞記を読まさせていただきました。人物画をみてて、私も同じ
ように棟方志功が描く女性を連想しました。東近美には薔薇の絵がでて
きません。ですから、この回顧展は大収穫でした。

投稿: いづつや | 2006.06.08 23:29

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