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2006.06.01

フンデルトヴァッサー展

393京都まで出かけて期待の“フンデルトヴァッサー展”(4/11~5/21、京近美)をみた。

フンデルトヴァッサー(1928~2000)の作品が過去、銀座の画廊で紹介されたのは知っているが、それはこの画家に目覚めるずっと前のこと。京近美のような大きな美術館でフンデルトヴァッサーの回顧展が開かれるのははじめてのことである。

03年、ウィーンのクンストハウスで観た作品の衝撃が大きかったので(拙ブログ04/12/25)、またあの楽しい絵がみれると思うと自然に体が熱くなる。この展覧会には絵画、版画、タペストリー、ポスター、大型の建築模型が100点あまり展示してあった。

期待通り、鮮やかな色彩と平面的で単純なフォルムが心を揺さぶる。ウィーンでは見なかった版画の作品が多い。また、4点ある大きなタピストリーをみて、こういう原色に彩られた絵はタピストリーになると見栄えがするなと感心した。バルセロナのミロ美術館に飾ってあったタペストリーを思い出す。

画面を構成する中心の形は円や渦巻き模様。色は黄色と緑が半分くらい占めている。描かれるのは建物、樹木、河、そして人間。建物は子供が描くように小さな四角の積み木を積み重ねて出来上がり、その四角のブロックは緑、黄色、赤、青などで埋め尽くされる。最上階の上はたいてい三角やたまねぎの尖塔がくっつく。

クンストハウスで人間の顔や頭の描き方にハットさせられたので、今回は注意深くみた。やはり同じように面白い視点から捉えた頭がある。“考える人”(1982)では道を歩く人を真上から見ており、考える脳味噌は丁度CTスキャンで撮影した輪切りの写真とか巻き寿司のようにみえる。顔では“来て私と歩こう”(1970)のように横顔をみせる人間と正面を向いた人間が一つの首を共有するという不気味なのもある。

ミュージカル“キャッツ”のメイキャップを連想させる作品(拙ブログ06/1/10)が今回はポスターとなって展示してあった。自然環境が破壊される危機を訴えた“木を植えよ、核の脅威を防げ”(1980)。ほかのポスターも“雨を救え”、“鯨を救え”、“海を救え”など環境破壊の防止や生き物を救うことを訴えたもの。

右の作品は最も印象に残った“心を移した恋人を愛しつつ待つのはつらい”(1971)。背景の青に浮かび上がる黄色の建物がとても美しい。建物の上にはたまねぎ型の尖塔があり、各階の窓には濃い青やうす青で彩られた雨滴が一つ描かれている。右の建物の一番下の窓から顔を出しているのは恋人に去られた女性であろうか。

この展覧会は東京には来ず、次はメルシャン軽井沢美術館(6/10~10/29)で開催される。

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コメント

京都まで行かれたのですか?すごいですね
フンデルトヴァッサーは一番好きな画家です
数十年前初めてKunst house wienに行った時虜になり「この町に住みたいっ!」とウィーンに住んでしまった程です(勿論それだけが理由じゃないですけど・笑)
軽井沢でも展覧会が有るのは知っていましたがちょっと距離的に無理かなあと思っていたのですが、見る機会の少ないタペストリーとかが展示されているのは興味をそそられますね うーん頑張っていこうかなあ

投稿: muha | 2006.06.02 01:09

to muhaさん
フンデルトヴァッサーがお好きな方が近くにおられるというのは嬉し
いですね。画家の作品はウィーンでみる以前から知っていたのですが、
ほんの2,3点では話になりません。

クンストハウスとこの展覧会でフンデルトヴァサーへのファン度はもう
ゆるぎないものになりました。こんな大きなタペストリー作品があった
なんて、知りませんでした。見栄えがしてなかなかいいです。メルシャン
軽井沢美術館の存在はこの展覧会でわかりましたが、4ヶ月半も開催
するんですね。個人的には世田谷美術館あたりがオファーを出してく
れればよかったのにと思ってます。東京でみれないのは残念ですね。

投稿: いづつや | 2006.06.02 14:07

お久しぶりです
いづつやさんが行かれてからもう4ヶ月位
経ってしまいましたが
10月の中頃にようやく行ってきたので
図々しくもTBさせて頂きました(笑)
 

投稿: muha | 2006.11.08 11:43

to muhaさん
北海道旅行のため、返事が遅れまして、申し訳ありま
せん。軽井沢でフンデルトヴァッサーをみられてよかっ
たですね。東京に来なかったのが残念でなりません。
どこかの美術館がオファーをだしてくれるものと思っ
ていたのですが。

また、いつかウィーンへ出かけあの独特な曲線やカラ
フルな色使いを楽しみたいと思います。

投稿: いづつや | 2006.11.12 07:47

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