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2006.05.06

ピサの斜塔

370ピサの斜塔を最初にみたのは1983年。このころはまだ、南に約5.5度傾いた塔の中に入れ、297ある階段を登って頂上まで行けた。上に登るにつれまっすぐに立ってないなという感じが強くなったのをかすかに体が覚えている。

安全上の問題から、1990年から公開は中止になり、地盤に600トンの鉛を入れるなど10年におよぶ修復工事が行われた。今は傾斜の進行がとまり、中にも
入れる。実際、多くはないが頂上から下を眺めている観光客がいる。事前に予約を
とった人らしい。現在は完全予約制になってるとのこと。われわれのツアーは登ら
なかったが、周りの観光客をみても大聖堂や洗礼堂を見学するだけで、斜塔のなか
にぞろぞろ入っていく風でもなかった。これがたまたまの現象なのかよくわからない。

ピサの斜塔は本来大聖堂に付属する“鐘楼”として建築された。1173年に着工
して、円筒形(8層)で、高さ55mの塔が完成したのは1350年。地盤がやわらかか
ったため、3層まで工事が進んだ頃から塔は傾きだしたようだ。で、4層以降は塔
の角度を逆の方向に修正したため、全体が“逆くの字”のようにみえる。斜塔は近く
で単独の建築物として眺めるよりは、入り口のところから、一番手前にある洗礼堂、
真ん中の大聖堂と一緒に見るほうがより存在感が増して見られる。それは塔の傾き
具合がまっすぐに立ってる大聖堂と較べられるから。ここからの景色はなかなかいい
ので、思わず写真をとりたくなる。

現地に住む日本人ガイドさんの案内は洗礼堂からはじまる。ガイドさんはその衣装が
個性的(上から下まで青一色)だけでなく、説明も超ユニーク。しゃべりが漫談風で
迫力いっぱいなので、よくわかる。ちょっと余所見して、別のところを眺めていたら、
“そこのオッサン、私の話が聞けんのか”と怒られそうな雰囲気である。で、演技でも
相づちを入れ、笑わせ所ではきっちりアハハと笑わないといけない。けっして義理
笑いではなく、実際面白い話が続く。観光というのはガイドさんやお土産屋の販売員
のエンターテイメントトークも含まれているのである。

ドーム型の洗礼堂の一番の驚きは音響効果。音を出すとエコーがかかる。また、
1260年にニコラ・ピサーノが制作した手彫りの大理石の説教台が見事。中央部の
支柱には獅子が、周りの支柱には動物や小鬼の姿が彫られている。大聖堂はなかに
入る時間がなかったので、正面ファサードの洗練されたモザイクをカメラにおさめた。40
分くらいの自由時間を楽しみ、最後にまた不思議な斜塔を見て、ピサを後にした。

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コメント

今晩は 私が訪ねた頃、ピサの斜塔は修復工事で残念ながら登ることが出来ませんでした。昔、ガリレオに憧れた頃があったので、伝記に登場した斜塔や洗礼堂を見てはそれだけで感動でした。
あのイタリア旅行では、私はシエナに一番のイタリアを感じたのですが?

投稿: 酒徒善人 | 2006.05.06 23:57

to 酒徒善人さん
ピサの斜塔の頂上は傾きを実感しますので、ちょっと不安な感じになります。
この体験は一度で充分です。
シエナはいずれ書きますが、カンポ広場は聞きしに勝る素晴らしいところで
すね。今は周りの人にシエナを勧めています。

投稿: いづつや | 2006.05.07 16:41

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