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2006.05.25

コルトーナの天井装飾画

386_1ローマには17世紀のはじめ誕生したバロック様式の建物、絵画、彫刻など見るべき作品が沢山あるのに、バロック芸術を意識して向かい合ったのはベルニーニの彫刻作品がはじめて。

これまで、サン・ピエトロ広場の柱廊や大聖堂の中にあるねじれたブロンズの柱が目を惹く天蓋(共にベルニーニ作)、また楕円形のナヴォーナ広場などバロック時代に好まれた楕円形、螺旋形、卵形の作品や建築物を見ていることは見ている。

でも、ローマでの関心事はミケランジェロのシスティーナ礼拝堂天井画や彫刻“ピエタ”、“モーセ”とかラファエロの“アテナイの学堂”などルネサンス美術であった。また、古代ローマ時代の遺跡、コロッセオやフォロ・ロマーノをみたり、ヴァチカン博物館の有名な古代彫刻、“ラオコーン”などに時間を割いた。また、トレヴィの泉でコインを投げたり、コンドッティ通りでブランド品を買わなきゃいけないので、スペイン広場の階段でゆっくり座ってる時間もない。こんなローマ観光ではバロックまで気が回らない。で、バロック様式の教会はどこにあるの?ローマバロックの画家は誰?ということになる。

が、今回は違った。ベルニーニの驚愕の大理石彫刻にイレ込んだからかもしれないが、バロックが少しこちらに近づいてきてくれた。当日回る教会、美術館のうち、バルベニーニ宮殿の順番は一番最後だったが、予想以上のスピードでお目当てのカラヴァッジョの絵やベルニーニの彫刻を見れたので、ここも入館できることになった。ガイドブックによると、主玄関から入ってすぐの巨大な広間の天井装飾は必見とある。

右の“神の摂理”(部分)を描いたのはベルニーニとともにローマバロックを代表する画家、建築家であるコルトーナ(1596~1669)。この広間はシスティーナ礼拝堂に次ぐ大きさだという。天井のフレスコ画は1633~39年に制作された。画面の下、雲の上に座すのが“神の摂理”で、その上に教皇の三重冠と聖ペテロの鍵を伴ってバルベリーニ家の家紋が中空に現れている。ソファにすわってしばらく眺めていた。これほど豪華な天井画は見たことがない。浮かび上がってるように見える“神の摂理”に心が動かされる。

ローマにでてきたコルトーナはフィレンツェ出身のバルベリーニ枢機卿に目をかけられ、枢機卿が1623年、ウルバヌス8世として教皇の座につくと、バルベリーニ家にも重用される。コルトーナがバルベリーニ家のために手がけた最大の仕事がこの天井装飾画。“神の摂理によって教皇ウルバヌス8世が選ばれ、その統治下、世界に平和がもたらされる”という寓意的内容を表現している。コルトーナは豊かな想像力を使って描きあげた華麗な天井画により、一気に名声を確立した。

思ってもみなかったバロック絵画の傑作がみれたのはバロックのミューズが呼んでいたからだろうか。バロックへの興味が沸々と涌いてきた。これからバロック芸術への理解を深め、次のローマ訪問ではこのコルトーナやベルニーニのライバルだったボロミーニ(1599~1667)が建てた教会を見てまわろうと思う。

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コメント

いづつやさん、こんばんは。
コルトーナの天井画は壮観ですよね!天井を見上げていると首が疲れてしまいますが(笑)
で、本当にローマはバロックの都ですね。バロックのミューズはきっと、自分の魅力をわかってくれるのはいづつやさん♪と見込まれたのだと思います(^_-)-☆

ベルニーニはバロックの天才だと思いますが、私はボッロミーニも大好きです。バルベリーニ宮殿のすぐ近くにサン・カルロ・アッレ・クアトロ・フォンターネ教会があります。こじんまりとしていますが、とても素敵な教会です。次回は、ぜひ♪

投稿: June | 2006.05.26 03:02

to Juneさん
バルベリーニ宮殿にあるカラヴァッジョの絵は日本でみたし、お目当ての
“ホロフェルネスの首を切るユディト”もないので、優先度は低かったの
ですが、他がスムーズにみれたので入館してみました。オマケのところに
凄い作品がありました。こういうときは本当に嬉しいですね。ですから
3日も書いてしまいました。

コルトーナの天井画のことは手元にある画集で知ってたのですが、実際見る
チャンスを想定してなかったものですから、大変感動しました。壮大な絵
ですね。これぞローマバロックという感じです。

次回はJuneさんご案内のボッロミーニ作のサン・カルロ・アッレ・クアトロ・
フォンターネ教会やポッツォが描いたサンティニャーツィオ教会の天井画を
みようと思ってます。

投稿: いづつや | 2006.05.26 08:47

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