ダ・ヴィンチ・コード展
映画“ダ・ヴィンチ・コード”の興行成績は記録的にいいらしい。そろそろ行こうかなと思っている。
小説は日本語訳がでた直後に一気に読んだが、それ以降読み返していないので、どんなストーリー展開だったか、記憶が薄れてきている。まあ、映画をみると想い出すだろう。
イタリア最初の訪問地、ミラノで“最後の晩餐”に向かい合ったときはダヴィンチコードに書かれていたことをきっちり確認した。日本に帰ってから、関連の展覧会にも足を運んだ。一つは銀座ソニービルで開催してた“ヴァーチャル・アトランティコ手稿展”(4/24~5/14)。もう一つは今もやっている森アーツセンターギャラリーの“ダヴィンチコード展”(6/23まで)。
アトランティコ手稿展では画家ダヴィンチではなく、科学者、軍事戦略家ダヴィンチが発明した人々の生活を快適にするもの(自動車や飛行機など)や、町づくり、産業発展のためのインフラ整備機械(クレーンほか)、そして戦争に勝つための道具(マルチキャノン・ガンシップ)などを模型やCGによる三次元映像でみせていた。
現在イタリアの研究者が解読中のミラノのアンブロジアーナ図書館にある膨大な手稿の一部をこうしてデジタル化、映像にして公開してくれるのは本当に有難い。科学に興味のある中高校生たちは大変刺激をうけるのではなかろうか。この大量の研究ノートをみると、ダヴィンチは自然界の真理を追究することや科学的な定理や法則を応用して道具や武器などを発明するのに忙しく、絵を描くことにあまり時間をさいてなかったのではないかと思ってしまう。作品数が少ないのはこのためではないか?
一方、ダヴィンチコード展は映画が封切られたら、もう打ち切ってもいいような企画展。今、この展覧会をみて映画館に足を運ぶ人がいるだろうか、普通の感覚だったら映画館に直行する。おそらく映画がはじまってからは入場者はガクッと減ったはず。いや、そうでもない?入館料はいつものように1400円と高い。
役に立つのは、小説のなかの肝であるダヴィンチが秘かにコード(暗号)を隠したという絵画、“モナリザ、“岩窟の聖母”、“最後の晩餐”などを画質のいい大画面でしかも丁寧な解説付きで見せてくれること。30分でダヴィンチ絵画のポイントが頭に入る。市販の美術本や画集より数倍の情報があり、本物の色を映像が再現しているので、結構楽しめる。また、登場人物の足取りを名所観光案内風に映像でみせてくれるので、この小説にはまり、サン・シュルピス教会(パリ)、オプス・デイ・センター、テンプル教会(ロンドン)、ロスリン礼拝堂(エディンバラ)に行ってみようと考えてる人には参考になる。
暗号を読み解くコーナーがあったり、映画のなかで使われた“クリプテックス”のレプリカなども展示してあるので小説を完璧に理解しようと思うと楽しめる展覧会かもしれない。入館料が1000円だと◎なのだが。このあたりのことが主催者はわかってない。
| 固定リンク | コメント (6) | トラックバック (1)
最近のコメント