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2006.04.15

東京は今、琳派が面白い!

293東京にあるいくつかの美術館では、今、琳派の作品がコラボレーションの真っ最中。

琳派の名がついた展覧会は静嘉堂文庫の“関屋・澪標図屏風と琳派の美展”(5/14まで)だけだが、ほかの美術館でも琳派の名品がいくつも見られる。展覧会のタイトルだけでみないで、琳派の作品という視点で横断的にみると、結構質の高い“琳派展”になっている。ご参考までに紹介したい。

中心となるのはやはり、静嘉堂文庫。俵屋宗達の“関屋・澪標図”のほかに尾形
光琳の作品が9点、尾形乾山の陶器が4点、酒井抱一が3点、鈴木其一が2点ある。
お気に入りは光琳のユーモラスな絵“鵜舟図”、鶏のひよこがまことに愛らしく描か
れている“布引滝・双鶏図”。抱一の銀地に墨で波濤が描かれた大きな屏風、“波図”
もいい。抱一には“紅白梅図屏風”(出光美)や代表作、“夏秋草図屏風”(重文、
東博)など銀地に草花を描く作品が多い。また、四角の色紙帖に龍や南瓜などをさら
さらと描いた“絵手鑑”がなかなかいい。南瓜図は伊藤若冲の版画集、“玄圃瑤華”
(げんぽようか)を手本にし、少し図柄を修正して着色したもの。其一は風俗美人画の
名手。“雪月花三美人図”では女性が着ている衣装の紋様を精緻に描写している。

ブリジストン美の“雪舟からポロックまで展”(6/4まで)にも琳派の優品がでている。
宗達派が制作した“保元平治物語”、4/10にとりあげた其一の大作、“富士筑波
山図”、池田孤邨の色鮮やかで琳派らしい絵、“青楓紅楓図”、そして上方琳派の
絵師、中村芳中の“四季草花図扇面貼交”。まるっこいフォルムとたらし込みに特徴
のある芳中の絵に心が和む。

大倉集古館の“播磨ゆかりの江戸絵画展”(5/28まで)に出品されているのは抱一
の“伊勢物語図”、“蓬莱図”と其一の“山水図・宮女奏楽図”。“宮女奏楽図”の復古
やまと絵風の色美しい雅さに魅せられる。

東博平常展(屏風と襖絵コーナー)の琳派は豪華2本立て(5/21まで)。右の光琳
の“風神雷神図屏風”(重文)と宗達の“色紙貼付桜山吹図屏風”。この2点は04年
にあった“琳派展”(東近美)にも出品されたので、2年ぶりの対面。“風神雷神図”は
これまで5回くらい見たが、今回ハットしたのは風神・雷神の衣装の赤。金泥で縁取
られた赤が目に焼きつく。もうひとつ新鮮だったのは風神の衣装の裾と胴回りにみ
える薄ピンク。こんな色ほかの作品に使ってあった?隣の部屋には墨のたらし込みが
印象深い光琳の“富士山図”もでている。

これから展示される琳派の絵をいくつか。いずれも期待の作品。
畠山記念館の“蒔絵の美展”(5/28まで)には光琳の“躑躅図”(つつじず、重文)が
 5/2~5/28に展示される。これはなかなか会えなかった作品。やっと見れそう。
・三の丸尚蔵館で開催中の“花鳥ー愛でる心、彩る技展”の4期(7/8~8/6)に抱一
 の“花鳥十二ヶ月図”が出品される。同じ画題の絵が出光美にもあるが、こちらのほう
 がいい。

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コメント

いづつやさん、こんにちは。

いつも盛りだくさんの話題で、楽しませて貰っています。
来週大倉集古館へ行ってくる予定にしてます。
本当に気が付けば、あちこち、琳派がにぎやかですね。
私の中では、去年?の近代美術館の琳派が振り出しのようです。
東博で光琳の風神雷神図屏風見てきましたよ。
変わらぬオーラが溢れていました。

いづつやさん絶賛の広重もこの目で確かめてきました。
浮き世の絵がどれだけ夢を与えたか、ワクワクでしたね!!

投稿: あべまつ | 2006.04.17 16:11

to あべまつさん
江戸絵画を熱心にみていたら、この分類で出てくる酒井抱一や鈴木其一は
江戸琳派でもあることに気づき、琳派でもっていくつかの美術館をくくっ
てみました。面白いことに東博でもタイミングよく光琳の“風神・雷神図
屏風”が展示されました。こういうTHEがつく琳派の代表作は何度みても
感動しますね。

私も隣の方と一緒に、広重の絵をまたみました。今、この絵が載って
いる画集がないかといろいろ探しています。

投稿: いづつや | 2006.04.17 17:21

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