18世紀京都画壇展の伊藤若冲
現在、京博で開催中の“18世紀京都画壇の革新者たち展”(4/9まで)には人気絶頂の伊藤若冲、曽我蕭白や与謝蕪村、池大雅、円山応挙、長澤芦雪といった大物絵師の名画が集まっている。
出品数は40点しかないが、1点々の質が高いので満足の面積は相当大きなものがある。これらは米国サンフランシスコにある美術館で行われた同名の展覧会(昨年12/3~今年2/26)に展示してあっ
たもので、いわゆる里帰りの展覧会。
出品のなかに追っかけていた若冲作、右の“菜虫譜図巻”(部分)に目がとまった
瞬間に京都行きを決め、開催を心待ちにしていた。しかも特別展とはいえパスポート
券が使える平常展扱いなので無料。こんな立派な展覧会を料金を払わずみせて
もらい、幸せな気分になった。
絵師は8人で、作品の内訳は渡辺始興(1点)、蕪村(6点)、呉春(4点)、大雅
(5点)、応挙(5点)、芦雪(6点)、蕭白(7点)、若冲(6点)。このうち、応挙、蕭白、
若冲の作品については、これまであった回顧展などで1,2点を除いて大体観て
いるが、蕪村、大雅、芦雪の多くははじめて見る絵。蕪村の俳画風タッチで描かれ
た“奥の細道図巻”(重文、京博)は昨年訪れた逸翁美術館にもあった。山形美術
館でも同じ画題の屏風があったのに、これは西洋画のほうに時間を使いすぎて
見逃してしまった。悔やまれてならない。蕪村の絵は山水などより、こうした人物が
沢山でてくる絵のほうに魅せられる。
バーンズコレクションで大雅のいい絵に出会ったが、また面白い絵を観た。それは
出光美蔵の“秋社図屏風”。出光にはかなり通っているのに、この大作はまだ見てな
かった。中国の田舎のお祭り風景がのびやかな線と色彩で描かれており、神輿の
真ん中から上につきでている柱によじ登った男や賑やかに太鼓叩いたり、笛を吹い
ている楽士に目がいく。大雅が描く人物の顔は士大夫でも農民でも丸く、どことなく
愛嬌があるので、見てて楽しい。
蕭白の絵は皆鑑賞済みなので、さらっと流し、お目当ての若冲の“菜虫譜図巻”(12
メートル、絹本着色)をじっくり見た。この絵は長年行方知らずになっていたが、7年前、
栃木県葛生町(くずう)の吉澤家の蔵から発見された。今回出品されている水墨の
“果蔬涅槃図”(かそねはんず、京博)の着色版。とても惹きつけられる赤や白、薄青
などで彩色された野菜や果物が季節の順に登場し、その後、蝶やカブト虫などの
昆虫、トカゲ、蝦蟇などが続く。色ではまたして松茸やキノコの鮮やかな白に目を奪わ
れた。最後にでてくる蝦蟇のユーモラスなポーズに思わず口もとがゆるむ。期待通りの
面白い絵を見せてもらった。若冲、有難うという感じである。
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コメント
この若沖の絵とても楽しいですね。
観に行きたいものです。
投稿: seedsbook | 2006.04.08 01:33
to seedsbookさん
念願の“菜虫譜図巻”を観れてよかったです。若冲はこうしたタイプのユーモラス
な絵で楽しませてくれたり、超細密表現でミクロ世界にひきずりこんだり、全く
もってたいした絵師です。ほかの日本画ではまず見ない薄い青とか橙色に感動
します。
投稿: いづつや | 2006.04.08 17:22
こんにちは
どうしてかTB出来なくて残念です。
すごく良い展覧会でしたね。
好きな絵師が沢山出ていたので嬉しい限りでした。
昨日は花見にも絶好の日でしたから、本当にわくわくしましたよ。例によってだらだら感想ですが、私も機嫌よく書けたのはこの展覧会のおかげだと思います。
再来週からはいよいよ大絵巻展も開催されます。
日取りは未定ですがとても楽しみです。
投稿: 遊行七恵 | 2006.04.09 13:15
to 遊行七恵さん
過去に見た絵もいくつかあったのですが、この40点は選び抜かれた作品と
いう感じですね。画家の特徴がよくでた名画をよくこんなに集めたなと感心
します。追っかけていた若冲の“菜虫譜図巻”も見れましたし、言うこと
ありません。
投稿: いづつや | 2006.04.09 21:00