« 伊藤若冲の動植綵絵 その一 | トップページ | 東博地獄劇場 四幕 »

2006.03.29

最澄と天台の国宝展

345現在、東博で開催中の“最澄と天台の国宝展”(5/7まで)は昨年、京博で一度鑑賞した。で、今回はパスしてもいいのだが、このときはお目当ての“六道絵”に時間を多くさき、他の仏教美術品は目慣らし程度でまわったので、復習を兼ねて再度見ることにした。

見所はいくつもある。天台宗関連の仏像、仏画、経典、経箱や密教法具などの仏教工芸品には国宝、重文が多く含まれているので仏教美術の展覧会として
は最高レベルといえる。特に関心の高い仏像や仏画は優品のオンパレードで、大き
な満足が得られた。

何しろ天台宗開宗1200年記念で、全国の天台寺院から集めてきたのだから、仏像
一つとってもヴァラエティに富む。集客のキャッチコピーに使われているのが、50年に
一度しか公開されない秘仏で寺からはじめて出る滋賀・善水寺の“薬師如来座像”。
金箔は比較的良く残っており、なかなかいい仏像である。上野・寛永寺にある
“薬師如来像”も初公開。ほかに美しいと感じられたのは岐阜・横蔵寺の“大日如来
座像”、右の“聖観音菩薩立像”(滋賀・延暦寺)、“千手観音菩薩”(滋賀・明王院)、
“普賢延命菩薩座像”(大分・大山寺)、運慶・湛慶作、“梵天立像、帝釈天立像”
(愛知・瀧山寺)。これらはいずれも重文。

造形的にみて刺激的だったのが、12頭の白象に乗っている“普賢延命菩薩座像”。
白象は上の段に4頭、下の段に8頭配置されている。これほど見ごたえのある普賢菩
薩ははじめて見た。感激度が高いのは衣装の文様と色彩が鮮やかな“梵天、帝釈天
立像”とふっくらとした優しい顔と全体的に柔らかい造形感覚が見られる“聖観音菩
薩立像”。京博のときもそうだったが、今回も“聖観音菩薩”の前でしばし立ちつくして
いた。なんとも穏やかな顔の観音様である。こういう仏像をみているときが一番心が
安らぐ。

仏画のハイライトは根津美術館所蔵の“金剛界八十一尊曼荼羅図”(重文)。びっくり
するくらい素晴らしい曼荼羅図。見てのお楽しみ。もうひとつの目玉、国宝“不動明王像
(黄不動)”(京都・曼殊院)は後期(4/18~5/7)に展示される。

|

« 伊藤若冲の動植綵絵 その一 | トップページ | 東博地獄劇場 四幕 »

コメント

こんばんは。
いづつやさんの興奮がひしひしと伝わってきます。
国宝と重文ばかりでしたね〜
「有り難い」展覧会でした。

トラックバック送らせていただきました。

投稿: Tak | 2006.04.17 23:53

to Takさん
後期にもう一度いこうと思ってます。かなり質の高い
展覧会ですね。

投稿: いづつや | 2006.04.18 07:37

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/65878/9319893

この記事へのトラックバック一覧です: 最澄と天台の国宝展:

» 最澄と天台の国宝 [Art & Bell by Tora]
100年に一度の大展覧会というキャッチフレーズに嘘はありませんでした。国宝級の書・絵・仏像が所狭しと並んでいました。 昨年、空海と真言の展覧会がありましたが、それにひけをとりません。 チラシが3種類もあるのは贅沢です。1.入場料未定、2.入場料決定、3.講演会決定の3種類です。どれがどれかはご想像に任せます。独立行政法人といっても、このような無駄遣いでは・・・ 詳細はホームページに書きました。 美術散歩 管理人 とら ... [続きを読む]

受信: 2006.04.02 23:32

» 「最澄と天台の国宝展」 [弐代目・青い日記帳]
東京国立博物館で開催中の 天台宗開宗1200年記念 特別展「最澄と天台の国宝」展に行って来ました。 仏教美術の展覧会も毎年平成館で何かしら催されています。 頭の中で整理のついていない「仏教の歴史」がこうした展覧会を 観ることによって少しでもまとまればよいのですが、単発では 感動することが出来ても中々それが線として結びつかずにいます。 (単に記憶力が悪いという話もチラホラ) ただこの展覧会に限り「仏教の歴史」はそれほど必要ないかもしれません。 ここから歴史が始まったと言... [続きを読む]

受信: 2006.04.17 23:50

» 天台宗開宗1200年記念 特別展 最澄と天台の国宝 [徒然なるまままに]
天台宗開宗1200年記念 特別展 最澄と天台の国宝 @東京国立博物館 2006年3月28日〜5月7日 前半の最終日の16日に、慌てて1回目に行ってきました。10時過ぎに到着したのですが、意外にも新聞社の宣伝が効いているのか混雑していました。特別展の会場に入る前に解説ビデオを飛ばして展示会場に入ってしまったのですが、これは見ておくべきでした。天台宗の本尊は薬師如来であることぐらい知っておくべきでした。 ■天台の祖師たち �... [続きを読む]

受信: 2006.04.19 00:30

« 伊藤若冲の動植綵絵 その一 | トップページ | 東博地獄劇場 四幕 »