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2006.03.30

東博地獄劇場 四幕

346京博で“最澄と天台の国宝展”をみたときは、お目当ての“六道絵”(ろくどうえ)の細かい描写がよく見えなかったので、今回は単眼鏡を使ってじっくりみた。六道絵の展示は前期(3/28~4/16)のみ。

目がいい人でもガラスケースの向こうにある全15幅に描かれた一つ々の場面をはっきり瞼の中におさめるのは難しい。そこで、単眼鏡がとらえたディテールも含めて東博地獄劇場 四幕の主要な場面をすこし詳しく紹介したい。が、この手の話は気持ちが悪い(大半の人はそうかもしれない)という方は遠慮なくパスしていただきたい。前回書いた六道絵の記事は拙ブログ05/11/2

★閻魔王庁図:一番下のところでは、首にはめ板をされた女の罪人が獄卒の鬼に追い立てられている。母親のあとを裸の赤ん坊と体を縄で縛られた男がついていく。その左には同様の格好をさせられたのが二人いる。真ん中では男が大きな鏡に生前の悪行(殺人)を見せられて、顔をひきつらせている。鏡の横の台にのせられた生首(殺された人間の)が目をかっと開いて罪人をにらみつけてるところは迫力がある。

★等活地獄(とうかつ):ここは生き物を殺した者が落ちる地獄。怖いのは上半分。左の方では二人の鬼が罪人を刀で切りさき、その隣の鬼は骸骨の骨をさらに打ち砕いている。下の門外では、ちょっと暗くてよく見えないが、岩山の隙間に罪人を入れ、鬼たちは両側から力いっぱい押し、圧殺している。こりゃーたまらない!

★黒縄地獄(右、こくじょう):生き物を殺し、盗みを働いた者が落ちる。苦しみ度は等活地獄の十倍。地獄絵のなかで最も凄惨な場面。炎の下では、板の台にのせられた男の腹のあたりに鋸の歯をあて、二人の鬼が“イチニー、イチニー”と楽しそうに轢いている。血がどくどくと流れ落ちる。その上の方で、罪人の頭から足のほうにかけてなにか黒い糸のようなものを張っている。何をしているのかというと、男の体を切り刻むため、熱い鉄の墨縄で体に墨うちをしてるところ。この場面は右の画像を拡大するとよりはっきり見える。

★阿鼻地獄(あび):父母、徳者を殺したり、真理を否定し、因果の道理を認めず、殺生、盗み、邪淫などをした者が落ちる地獄。ここでの責め苦は想像を絶する。左のほうには獄卒に口を大きく開けられ、熱鉄の玉を呑まされる罪人がおり、右では竹に縛り付けられた男は舌を引き抜かれて、目ん玉が飛び出しそうになっている。最も罪深い者が落ちる極悪の地獄のためか、刑を執行するここの獄卒はほかとはちがう鬼の怪物。頭の上にまた顔が3つあったり、お腹にも顔をある。そして、画面のなかで赤い炎が描かれる割合が一番多い。

★衆合地獄(しゅうごう):生き物を殺し、盗みをし、淫欲にふけって善業に励まなかった者が落ちる地獄。城門の外の悪見処では、生前、他人の子供をいじめたため、自分の子供が鬼に陰部を鉄の錐(きり)で突き刺されるのを見せられて苦悩する男や、逆さずりにされ肛門に銅の湯を注ぎ込まれて苦しむ罪人などが描かれている。

獄卒がでてくるのはこの5点だけ。残りは正視できる?“人道不浄相”を除けば、心拍数が上がることはない。だが、“譬喩経所説念仏功徳”(ひゆきょう)では左上の屋敷のなかに生首がいくつか転がっているのでびっくりしないように。

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コメント

東京博物館のパスポートチケットを買われたのですよね、いづつやさんは。
いま庭園解放していますよね、御覧になりましたか?
僕は一度も見たことないんですよ、庭園。
庭園美術館の庭園ならありますが/苦笑。
ご感想をお伺いしてよさそうならいってみます。

投稿: oki | 2006.04.10 22:46

to okiさん
美術品の鑑賞に忙しくて、東博の庭園には行ったことがありません。
他の美術館のこともありますので、本館、東洋館をみたらすぐ
出口にむかいますね。

投稿: いづつや | 2006.04.11 07:44

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