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2006.03.22

フリーア美術館の北斎

338朝日新聞の3/20(月)夕刊に葛飾北斎に関する興味深い記事が載っていた。

現在、米国ワシントンでは昨年多くの観客を集めた“北斎展”の姉妹展が開かれてるらしい(5/14まで)。北斎展の図録にどうしてフリーア美術館が所蔵する北斎の肉筆画が10点ばかり図版で紹介されてるのかわからなかったが、朝日の記事でその理由がわかった。

ワシントンの展覧会にフリーア美蔵の北斎作、肉筆画が40数点でているという。
ここには北斎のいい肉筆画があることは以前から知っていたが、なかなか見る機会
がなかった。見れないのはこれらを収集したフリーアの遺言で門外不出となって
いるからだった。へえー、そういうこと。全く知らなかった!東博などのブランド美術
館がフリーア美展を企画してくれないかなと随分前から願っていたが、そういう事情
なら日本で見れるはずがない。今、北斎の作品が展示されてるサックラー美術館
はフリーア美と同じ敷地内にあるためOKなのだそうだ。

その展覧会に右の“富士と笛吹童子”が出品されてるようだ。この肉筆画は昨年の
北斎展が開催されるという情報を得たとき、ひそかに期待していた作品(実際は
無理だったが)。かなり昔、NHKのフリーア美術館を紹介する番組のなかでこの絵
に出会った。一目みて200%痺れた。真ん中の柳の木に子供が腰を掛け、子供の
前方には雄大な富士山があり、その裾野が上に伸びる柳とX字型に交差している。
こんな斬新な構図を思いつくのだから北斎の想像力は超一級。この絵をみてると、
今にでもワシントンに駆けつけたくなる。

フリーア美の日本美術品コレクションはボストン、メトロポリタン、ギメなどとともに質
が高いことで知られており、浮世絵だけでなく、琳派の凄い作品がある。代表的
なものは俵屋宗達の“松島図屏風”、“雲龍図屏風”と尾形光琳の“群鶴図屏風”。
なかでも日本にあれば間違いなく国宝といわれる“松島図”はなんとしても見たい絵。
04年の琳派展(東近美)に光琳の模写(ボストン美蔵)がでていた。

フリーア美の作品はシカゴ美術館にあるスーラの“グランド・ジャット島の日曜日の
午後”と同様、遺言により門外不出となってることがわかった以上、またワシントンに
出かけるしかない。具体的な旅行計画を検討してみたくなった。

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コメント

北斎展、アメリカで始まったんですね。フリージア美術館の北斎が、門外不出だということは、東京の北斎展で掲載されていて、アメリカまでみにいきたいね、女房と話していました。
国立博物館もかなり丹念に交渉したようですが、展示は実現しなかったようです。遺言は、絶対なんですね。

投稿: 自由なランナー | 2006.03.22 23:22

to 自由なランナーさん
展覧会をみると必ず図録を購入するのですが、見るのは図版だけで論考
などはほとんど読みません。ワシントンの姉妹展のことやフリーア美術館
にある作品の門外不出のことがあいさつ文のところにでてましたね。今頃気づ
きました。

前々からフリーアコレクションを是非ともみたいと願ってるのですが、そのひとつ
が北斎の“富士と笛吹童子”です。もうみたくてしょうがありません。歌麿の
大きな美人群像画(肉筆)も狙いの1点です。シカゴ美のスーラとフリーア美に
ある日本美術品はなんとしても見ようと思ってます。

自由なランナーさんはこの秋、ボストン美からやってくる北斎、歌麿などの肉筆
浮世絵展(10/21~12/10、江戸東京博物館)のことはご存知でしょうか。
質の高い肉筆画のようなので楽しみにしてます。また、来年になりますが、
太田記念美術館でもギメ美術館蔵浮世絵名品展(07/1/3~2/25)があり
ます。これもワクワクするような展覧会です。

投稿: いづつや | 2006.03.23 10:27

いづつやさん、こんばんは。
私もつい先日の朝日新聞のコラムを読みました。笛吹の背中が泣かせるなぁと心うずきました。
最近、北斎は肉筆がめちゃくちゃ最高に上手かったんじゃないかと思ってます。北斎展でも人混みの中、肉筆だけ、じっとり見てきました。

東博の浮世絵は、本当に充実してますよね。
しばらく太田美術館にはご無沙汰してますが、
素敵な情報頂きましたので、しっかり見に行きたいなぁと思ったのでした。

投稿: あべまつ | 2006.03.23 22:31

to あべまつさん
“富士と笛吹童子”は斜めに伸びる柳の上のほうをトリミングし、童子を座ら
せるため水平の部分をつくるところが憎いですね。昨年の北斎展でよく
わかりましたが、シュールな絵とかハットするような構図の絵は海外の
有名美術館にあることが多いですね。外国人コレクターを興奮させるという
ことはそれだけ北斎が近代的な画家という証かもしれません。

北斎は晩年、肉筆に力を入れてますね。あべまつさんのおっしゃるとおり、
上手いですね。美人画については北斎はあまり好みでなく、師匠の春章の
ほうを最も愛してるのですが、“肉筆画帖”にあった蛇とか蛙をみてるとリアル
な質感にゾクゾクッとしますね。ますます北斎にのめり込みます。

投稿: いづつや | 2006.03.24 08:03

いづつやさん、また、お邪魔します。

何か、ずっと、この絵が気になって仕方がありません。
日本絵画を見て、すごいなぁと言う感嘆詞は沢山投げかけてきたのですが、この絵は間近に見ていないのに、感動に近い心騒ぎがしています。また、どういう訳か、アメリカのアンドリュウー・ワイエスの少年の絵を思い出すのです。切ないところが呼んでいるのかもしれませんが・・・

お気に入りサイトにあべまつを入れて頂けたのを発見して、
ドキドキしました。ありがとうございます。嬉しいです★
これからも、よろしくお願い致します。

投稿: あべまつ | 2006.03.30 22:26

to あべまつさん
ご指摘のワイエスの絵をみてみました。少年の絵はなかったのですが、代表作
“クリスチーナの世界”は北斎の絵を同じような構図をしてますね。またまた
教えてもらいました。有難うございます。あべまつさんのブログ、楽しく読ま
させてもらってます。文章がお上手ですね。

投稿: いづつや | 2006.03.31 10:05

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受信: 2006.03.25 10:29

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