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2006.03.01

広重の東海道五十三次・四日市

317MOAの最後にある展示室が浮世絵ギャラりーに変っていた。スペースは前の5分の1くらい。展示は3/8まで。

今回だけの臨時的な措置か、恒久的な展示室か確認してないのでわからない。残りを別の展示に使うのかもしれない。ここが所蔵する浮世絵は版画、肉筆画ともに一級品だから、いつ訪問しても北斎や広重などの名品に会えるのなら申し分ない。今回は11点でていた。
318
美人画では鈴木春信、鳥居清長、喜多川歌麿が各1点ある。歌麿の“当時全盛美人揃 越前屋内唐土”は今、東博の平常展にでている同じものより、コンディションはいい。

風景画は北斎の“富嶽三十六景”2点と広重の“東海道五十三次”2点と豪華な組み合わせ。三十六景のトップスリーの1枚、“山下白雨”と大きな桶をつくってる職人の向こうに富士山が小さく描かれた“尾州不二見原”に対し、広重の五十三次は右の“四日市”と“三島”。

鳥居や家並、霧中の人物をシルエットで表現し、朝霧がたちこめる三島の宿の
様子を情趣豊かに描いた広重の絵心は見事というしかない。シルエットの傑作が
“三島”なら、風をとらえた名作が“四日市”。この絵をみると風がびゅーびゅー
吹いてるのがすぐわかる。右にいる旅人が纏ってる合羽は強烈な風で三角形に
なっている。左に描かれた管笠を風に飛ばされた男のあわてぶりが実にリアル。
柳の枝のしなり方からも風の強さが伝わってくる。

北斎の“富嶽三十六景”にも、旅人が風に笠や懐紙を吹き飛ばされた場面を描いた
“駿州江尻”といういい絵があるが、“四日市”の風をみて、条件反射的に連想する
のがこの絵の下にある“琴高・群仙”(部分、京博所蔵)。描いたのは東の雪舟
と呼ばれた雪村。鯉にまたがり空を飛ぶ仙人、琴高の衣装は前から受ける風
のため後ろになびいている。雪村にはほかにも“列子御風”(アルカンシェール美術
財団)や“呂洞賓”(大和文華館)という、風が吹きまくる絵がある。

風を描かせたら広重と雪村の右に出る者はいない。

■■■■■今年前半展覧会情報(拙ブログ1/1)の更新■■■■■
 ・下記の展覧会を追加。
 ★西洋美術
 3/25~5/7   青騎士の画家たち展  ニューオータニ美術館
 
 ★日本美術
 3/4~4/16   亜欧堂田善展      府中市美術館
 3/11~5/7   桜さくらサクラ展     山種美術館
 3/11~4/23  小野竹喬展       香雪美術館
 3/14~5/21  近代工芸の名品展   東近美・工芸館
 3/18~5/21  横山、竹内、川合展   野間記念館
 4/8~5/14   関屋澪標図と琳派展  静嘉堂文庫
 4/11~7/2   京焼の名工展      三井記念美術館

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コメント

浮世絵といえば大田記念美術館の山本昇雲の展覧会なんていかがでしょう。
東京初公開というのがなんともー。
表参道ヒルズ散策とあわせて近々行く予定です。

投稿: oki | 2006.03.01 22:48

to okiさん
太田記念館には昨年から記念展で名品を充分楽しませてもらいましたから、
当分は小休止といったところです。名品展の後期を観に出かけたのが
丁度表参道ヒルズのオープン日にあたり、通りは大変混んでいました。
陽気がよくなり、多くの人が集まりそうですね。

投稿: いづつや | 2006.03.02 17:45

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