« ベルナール・ビュフェ石版画展 | トップページ | キルヒナーの山岳風景画 »

2006.03.04

セガンティーニのアルプスの真昼

321Bunkamuraでセガンティーニの名作、“アルプスの真昼”に会ってきた。

今日からはじまった“スイス・スピリッツ展”(4/9まで)の情報を得たときから、この絵を観るのを楽しみにしてきた。過去、セガンティーニ(1858~1899)の作品を見た経験は極めて少ない。指を折っても片手くらい。

サン・モリッツにあるセガンティーニ美術館にいくと、この画家の画業がつかめる
はずだが、そこに飾ってある代表作の一つが日本にやってきた。なんという幸せであ
ろう。図録でイメージしていた通りの名画。大原美術館にこの絵の1年後に描かれた
同名の絵があるが、二つを較べると最初に描かれた右のほう(1891)がずっといい。

それは真ん中にいる羊飼いの女性のせい。光をさけるように帽子のつばを下げる
ポーズですっと立ってる姿がいい。まわりの草の緑はきらきらと輝き、右の手のひら
や衣装、そして地面にできる陰がアルプスの鮮やかな光をよく表している。空の青と
雪が積もった山の白のすばらしいコントラストをみると、分割法というのがいかに
効果的な技法であったかがわかる。題名の通り、明るい真昼時の雰囲気が伝わっ
てくる絵である。

セダンティーニの作品はほかに2点ある。“アルプス風景”と“ふた組の母子”。
“ふた組の母子”はセガンティーニが制作の途中に亡くなったので同僚のジャコメッティ
(彫刻家ジャコメッティの父)が完成させた。この絵から小学校の頃みた磁石にくっつ
いた鉄粉の線を連想した。セガンティーニに関する記事は拙ブログ05/11/2

この展覧会で期待してたもう一人の画家は象徴派のホドラー(1853~1918)。
人物画とともに、ホドラーが得意だったのがアルプス風景画。今回5点でている。“ホイ
ンシュトリッヒから見たニーセン山”はぐっときたがほかはアベレージだった。96年、
この美術館であった“象徴派展”でみた“トゥーン湖”や“ダン・デュ・ミディ山”のような
色使いや構成を期待したが、残念ながら今回の絵はぱっとしなかった。が、“アルプス
の真昼”に満足度200%なので、全然気にならない。

|

« ベルナール・ビュフェ石版画展 | トップページ | キルヒナーの山岳風景画 »

コメント

はじめまして
セガンティーニの名を見つけたので思わず書き込みさせて頂いています。
拙ブログでセガンティーニについて書いたら、丁度Bunkamuraで展覧会が有ることを知りこれはぜひ行かねば
と思っていたところです。もう行かれたのですね。満足度200%とは期待大ですね。

投稿: muha | 2006.03.05 00:22

to muhaさん
はじめまして。書き込み有難うございます。だいぶ前から“アルプスの真昼”
は知っているのですが、以前、世界美術館紀行でセガンティーニ美術館を
とりあげたときも、これを代表作のひとつとして紹介してました。とてもいい絵
です。ご覧になってください。これからもよろしくお願いします。

投稿: いづつや | 2006.03.05 11:48

全くこの絵の前に立つと光と空気が感じられますよね。
素晴らしい作品ですね。

投稿: seedsbook | 2006.03.06 22:14

to seedsbookさん
念願の“アルプスの真昼”が日本で見られるなんて、嬉しくてしょうが
ありません。私にとっては昨年見た、ゴッホの“夜のカフェテラス”や
ルノワールの“舟遊びの昼食”、マティスの“金魚”と同様、一生の
思い出になりそうです。残りはセガンティーニ美術館にある三部作、“正”、
“自然”、“死”です。いつか観たいですね。

投稿: いづつや | 2006.03.07 11:08

いづつやさん、こんばんは。
セガンティーニはアルプスの澄んだ空気まで描きこんでいてみごとでしたね。色彩分割の細長い緻密な筆致と描写力に、CARAVAGGIOと同じ北イタリア出身の画家だなぁ、としみじみ観てしまいました(^^ゞ

投稿: June | 2006.03.10 03:37

to Juneさん
セガンティーニの“アルプスの真昼”を見れた幸せに浸ってます。スイスに
住んでた経験からいうと、美術館のあるサンモリッツは遠いですから、ここに
ある代表作を見れたのは夢のようです。アルプスの光を見事に表現して
ますね。光の描写はカラヴァッジョからも当然影響を受けてるでしょうね。

投稿: いづつや | 2006.03.10 17:07

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: セガンティーニのアルプスの真昼:

» スイス・スピリッツー山に魅せられた画家たち [Art & Bell by Tora]
学生時代、山岳部に所属していたので、山の画となると見逃せない。ちょっと早めに仕事場を抜け出してBUNKAMURAに行ってきた。午後5時ごろからということで、流石に中は空いている。 お目当てのセガンティーニ、ジャコメッティ(父)、ホドラーが一つのセクションにまとまっている。大きな椅子が置いてあるので、ゆっくり腰かけて辺りを見回すと、そこはもうベルナー・オーベルランド。 山の画といっても、古典派、ロマン派、ポスト印象派、象徴派、立体派、表現主義、現代絵画など近代美術の流れを辿ることができる。... [続きを読む]

受信: 2006.03.08 09:07

» スイス・スピリッツ展 [花耀亭日記]
Bunkamuraで「スイス・スピリッツ―山に魅せられた画家たち」展を観た。 http://www.bunkamura.co.jp/museum/event/switzerland/index.html スイスの山をモチーフとして制作された作品を通して、18世紀初頭から現代に至るまでの約300年間に渡るスイス・アートの変遷を辿るという、実に興味深い内容だった。 面白かったのは、初め山岳調査対象だったアルプスの山�... [続きを読む]

受信: 2006.03.11 00:13

» アート:スイス・スピリッツ [Pocket Warmer]
スイス・スピリッツ 山に魅せられた画家たち 会場:渋谷 東急 BUNKAMUR [続きを読む]

受信: 2006.03.19 00:10

» スイス・スピリッツ 山に魅せられた画家たち [No Need To Argue]
ジョヴァンニ・セガンティーニ《アルプスの真昼》1891年 【会 期】 2006年3月4日(土)〜4月9日(日) 開催期間中無休 【開館時間】 10:00〜19:00(入館は18:30まで)毎週金・土曜日21:00まで(入館は20:30まで) 【会 場】 Bunkamuraザ・ミュージアム http://ww...... [続きを読む]

受信: 2006.03.29 00:36

» 「スイス・スピリッツ展」 [弐代目・青い日記帳]
Bunkamuraザ・ミュージアムで開催中の 「スイス・スピリッツ―山に魅せられた画家たち―」展に行って来ました。 この展覧会かなり前に行っておきながら 感想書くのをすっかり忘れていました。。。 思い出しながら何とか書きますね。 「スイス」といえば「ハイジ」 アルプスの少女ハイジ ヨハンナ スピリ, 高畑 勲 「ハイジ」といえば「ハロースイス♪」 チューリッヒの会社概要見たら本当にスイス連邦チューリッヒ市に 本社があるんですね、ハイジをCMに使うの... [続きを読む]

受信: 2006.04.02 12:22

« ベルナール・ビュフェ石版画展 | トップページ | キルヒナーの山岳風景画 »