« 仙厓の老人六歌仙画賛 | トップページ | 川端龍子の美人画 »

2006.03.08

黄金の分銅

325日本橋三越の裏側にある日本銀行金融研究所 貨幣博物館では、3/12まで黄金の金塊、“分銅金”を公開している(入場無料)。

昨年末にこの展示を知り、いつか時間をつくって足を運ぼうと思っていたが、会期の終了間際までひっぱってしまった。金塊を見る機会なんて滅多にない。昨年、観光で佐渡金山へ行ったとき、資料館に大きな金の延べ棒があった。

戦さや非常時の備蓄用として定量の分銅の形に鋳造された黄金の金塊を“分銅
金”と呼ぶ。小型の“小分銅”と大型の“大分銅”と2種類ある。“大分銅”の実物は
現存していない。今回出ているのは日銀が所蔵する4種類の“小分銅”。重さは
375g(=缶ジュース1本)。金の品位は95%で、慶長大判(68%)、慶長小判
(84%)などと較べてかなり高く、純金の品位に近い。大きさは縦4.7cm/横
3.6cm/厚さ1.8cm。この小分銅は尾張徳川家に伝来したもので、徳川家康の
遺産の一つとみられている。依頼者や製作者を示す史料や文献はまだ確認され
てないので、正確なことはわからないらしい。

右は“桐”の極印があるもの。4つのなかでは一番模様が華やか。唯一枠のない
極印が表、裏の両面に打たれている。細やかな菊花の地紋が見事。ほかは布目
の地紋が2つあり、極印は“吉”と“亀甲桐”。夫々○と亀甲形で囲まれてる。
“定”に○の極印があるのは石目を残したままで地紋がない。所蔵数は①吉
(154点) ②定(86点) ③桐(40点) ④亀甲桐(20点) 小分銅は手作りなの
で、極印や地紋の打ち方などにひとつ々特徴がある。例えば、菊花の地紋が密に
打たれたものとゆったり打たれたものとか、厚みのあるものと薄型のものとか。

“小分銅”に関する史料は少ないが、“大分銅”(重さ165㎏=オートバイ1台)の
ものは比較的多く残されてるようだ。それによると、
★豊臣秀吉の大分銅ー1591年と1597年の2回、金の大分銅をつくらせる 
★徳川家康の大分銅ー1604年、銀の大分銅 
★江戸幕府の大分銅ー1659年、1793年、1842年の3回、金銀の大分銅 

徳川家康の遺産を整理した史料によると、遺産には1箱100個入の金の“小分銅”
が41箱含まれてたという。全部で4100個!そのほんの一部が目の前にあった。

|

« 仙厓の老人六歌仙画賛 | トップページ | 川端龍子の美人画 »

コメント

金には鉱物コレクションや投資の対象としても興味ありますが(笑)
やっぱり工芸品や芸術作品として親しむのが一番満足度が高いです。
この展示も財産的な勘定はよそに、細工の細やかさに閉館ぎりぎりまで見入ってしまいました。
うちの記事でこのエントリーをご紹介させていただきました♪

投稿: gem | 2006.03.14 16:27

to gemさん
ブログを拝見してます。拙記事を紹介して頂きまして、有難うございます。
光り輝く黄金の金塊はやはりハートを熱くしますね。貴重な機会なので
じっくり見ました。2年前、アテネの考古学博物館でみたアガメムノン
の黄金のマスク、昨年の佐渡金山、よく行く熱海のMOAにある秀吉が
作った黄金の茶室(復元)、そして黄金の小分銅、次はどんな金細工に
会えるのでしょうか?

投稿: いづつや | 2006.03.14 18:28

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/65878/9005456

この記事へのトラックバック一覧です: 黄金の分銅:

« 仙厓の老人六歌仙画賛 | トップページ | 川端龍子の美人画 »