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2006.03.26

東山魁夷の雑誌表紙絵

342野間記念館では大観、栖鳳、玉堂の絵のほかにとても嬉しい作品が展示してあった。それは講談社が刊行した雑誌の表紙絵(5/21まで)。

かなり昔の雑誌なので知らないほうが多いが、表紙絵を担当した画家のことは大体わかる。多くの読者に読んでもらうためには、表紙が良くなくては話にならない。で、当代一流の画家が選ばれている。なかにはあの画家がこうした表紙絵を手がけていたのか!という意外
な発見があった。と同時に、優れた画才にあらためて惚れ直す機会にもなった。

雑誌と表紙の原画が一緒にみられるのは講談社の記念館ならではの展示である。
雑誌とその表紙を描いた画家を古い順から並べると。“婦人倶楽部”(大正14年、
堂本印象)、“キング”(昭和3~7年、木村武山、山口蓬春、堂本印象、土田麦僊、
荒木十畝、川端龍子、結城素明)、“富士”(昭和6年、山川秀峰)、“講談社倶楽
部”(昭和24年、伊東深水)、“日本”(昭和33~34年、東山魁夷)。

美人画家、山川秀峰の絵では、代表作の“序の舞”(東近美蔵)にでてくる色白で
卵のような顔立ちの女性に限りない愛着を覚える。いつかほかの作品も見てみたい
と願っていたが、こんなところであのぽっちゃっとした愛らしい女性に出会った。
非常に気持ちがいい。また、伊東深水の表紙いっぱいに描かれた12点の美人画
も圧巻。浮世絵の大首絵の美人画をみるよう。

今回、山川、伊東の美人画より新鮮だったのが東山魁夷の作品。大げさでなく衝撃
を受けた。東山魁夷の絵でこれほど色彩が豊かな絵を過去見たことがない。昭和
33年から1年9ヶ月、雑誌“日本”の表紙を飾った21枚がずらっとある。ちょうど50歳
の頃の作品。この時期、東山はこんなカラフルな風景画を制作していたとは知らなか
った。鮮やかな色調と力強い造形で日本各地で感じた心象風景を表現したこれらの
表紙絵に200%魅了された。

画題は北海道の牧場、秋の富士山、高原の空の美しい月、倉敷の白壁など日本人
がすっと画面に入っていけそうな情景。なかでも心を揺すぶられたのが右の“漁村”。
深い青で表現された軒下や道についた家の影と海にズキンときた。光のとらえかたは
やはり並ではない。小品ながらカラリスト、東山魁夷の佳品を見せてもらい、晴れや
かな気持ちで館を後にした。

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