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2006.03.03

ベルナール・ビュフェ石版画展

320現在、ホテルニューオータニにある美術館ではベルナール・ビュフェの石版画(リトグラフ)を展示している(3/19まで)。

ビュフェの絵に惹かれるきっかけとなったのがちょうど1年くらい前ここに飾られてた2枚の絵。縁結びをしてくれたニューオータニ美術館がほかにどんな絵を見せてくれるのだろうかと興味深々で入館した。

過去何回か所蔵するビュフェのリトグラフを展示したそうだが、今回は寄託を受けて
る作品とあわせ5シリーズ89点がでている。ビュフェ(1928~1999)はリトグラフ
を1952年から制作するが、出品作を時代順にみると“ニューヨーク”(1964、
10点)、“モン・シルク(私のサーカス)”(1968、44点)、“女の遊び”(1970、
10点)、“カルメン”(1981、15点)、“ドン・キホーテ”(1989、10点)。

数が一番多い“モン・シルク”と“ドン・キホーテ”が目を楽しませてくれた。“私のサー
カス”では明るい色調で、軽妙に表現された道化師、軽業師がいろいろな姿で登場
する。なかでも黒の力強い輪郭線と明るい黄色や緑で彩色されたピエロの顔が
印象深い。ピエロはビュフェが繰り返し描いたモティーフ。アクロバット的な演技や
化粧を塗りたくった道化師の顔をみてると、小さい頃見たサーカスの舞台を思い出す。
人間だけでなく学者と名づけられた犬もでてくる。また、横長の大きなカバがでてき
たのには驚いた。サーカス小屋にこんな動物いた?

10点ある“ドン・キホーテ”は観てて楽しい作品。右は“風車小屋”。セルバンテスの
小説で最も有名な、ドン・キホーテが風車を巨人と妄想し、愛馬ロシナンテに跨り、
突撃していく場面。後ろ足で垂直に立った馬から今にも落ちそうなドン・キホーテの
姿が中世騎士にあこがれた男の悲哀を伝えている。最初に描いた油彩“カルメン”
(1962)はパリコレクションのモードシルエットに影響を与えたといわれる。黒い線
だけで表現された衣装はカルメンの美しさと激しい性格にぴったり合っている。この
フォルムにファッション界がとびついた。リトグラフの扉絵になっている目の大きなカル
メンに魅せられる。

この展覧会をみて、拙ブログ05/7/28にも書いた静岡県長泉町にあるビュフェ美術
館を訪ねる計画を具体化させようという気になった。

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コメント

いづつや 様
 私は、長年の横浜での高校教師p生活を切り上げて、現在、東北の田舎町に逼塞している者です。
 横浜在住時は、毎週のように首都圏内の美術館・博物館巡りをしていて、それを楽しみにしておりました。
 そうした私にとって、このブログは「干天の慈雨」「砂漠のオアシス」のような存在です。
 今後益々幅広く、益々充実させて下さい。
 とは申せ、このブログが先日のように、「荒川静香金メダル」のようなニュースにまで反応するのはどうか、と私は思います。あれもこれも「文化記号」の一つであることには変わりありませんが。
 何はともあれ、このブログを開くのが、私の楽しい日課であることをお伝えして、文を閉じます。

投稿: daigofox | 2006.03.04 11:46

to daigofoxさん
はじめまして。書き込み有難うございます。美術品と向かい合う時間を大切
にしています。特定のジャンル、作家にあまり偏らず、美しいものや面白い
ものを素直な気持ちでみるように心がけてます。

現在はHPやほかの人のブログから展覧会情報を大変効率よく入手できま
すので、逆に自分が得た情報はなるべく早く、発信するようにしてます。
daigofoxさんの目を楽します作品が沢山あればいいのですが。これからも
よろしくお願いします。

投稿: いづつや | 2006.03.04 19:30

続けてのコメントすみません
ホテルニューオータニに美術館があるなんて知りませんでした。2年程前ビュフェ美術館に行きました。梅雨の平日ということも有って来館者も殆ど居なかったので一人貸切状態でした。自然の中に有る美術館は周りを散歩をするだけでもとても気持ちいいですよ。

投稿: muha | 2006.03.05 00:41

to muhaさん
コメント有難うございます。ベルナール・ビュフェはここ1年ですごく近
くなりました。全く知らない画家と偶然遭遇し、その作品に惹きつけられるこ
とが時々ありますが、ビュフェはそのいい例です。是非長泉町のビュフェ美
術館を訪ねようと思います。

投稿: いづつや | 2006.03.05 11:58

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