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2006.03.20

竹内栖鳳の花鳥画

336上村松園や小野竹喬が師事した画家が竹内栖鳳(せいほう)。近代日本画の革新者の一人で、東の大観、西の栖鳳と言われるくらい京都画壇では大きな存在だった。

その作品を結構見ているのだが、なぜか心底惚れるようないい絵に出会わなかった。で、これほどの大物画家なのに惹かれるものが無いというのは、画風が自分の好みと合わないのだなと思っていた。

が、これを覆す絵が目の前に現れた。それはMOAにある右の“翠竹野雀”(すいちく
やじゃく)。昨年の11月に続き、今回の“近代日本画展”(4/12まで)にも出ている。
栖鳳は雀をよく描き、“栖鳳雀”といわれて有名だったらしい。残念なことにこれまで
その雀に縁がなく、はじめてみたこの絵に大変魅了された。2本の竹を斜めに大き
く描く構図と右下の羽を広げる雀に惹きつけられる。飛び立つ瞬間の雀はこんな感じ
だ。吹き抜ける風に揺れる竹の笹にシンクロするかのように雀は羽を小刻みに動
かしている。背景を薄いグレーにし、墨をそそぐのと同じ描法により竹叢を淡い色調の
緑で軽妙に表現するところが気に入った。

過去、栖鳳の絵では、城跡や水辺を描いた墨画を度々見たが、どうもこのターナー風
の画風がしっくりこなかった。それは画面の中央にくる不定形の墨の面が強すぎる
から。このインパクトのある黒がじゃまな感じがするのである。ところが、これと同じ描き
方が“翠竹野雀”の竹叢にもみられるのに、緑だと気にならない。同じ描き方でも色に
よって印象が変ってくるのが面白い。なぜ、ターナーやロコーの表現を墨により日本の
風景に取り入れた作品が胸を打たなかったのか、この絵をみてわかった。

栖鳳のいい絵をもう1点発見した。大きな鯛を画面いっぱいに描いた“海幸”。鯛の肌
の赤が美しく輝き、新鮮な魚の光沢を青金泥を使い、巧みに表現している。栖鳳の描く
生物画からは匂いが感じられるといわれるが、まさに獲りたての鯛の匂いがする。
竹内栖鳳の作品に対する見方が変ったので、今回見たようないい絵にもっと会える
よう念じておこう。

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