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2006.02.20

国宝 平治物語絵巻

308東博のパスポート券をフルに活用し、平常展(無料)を頻繁に見ている。

ここは日本美術の殿堂なので、平常展でも仏像、絵巻、陶磁器、浮世絵などのセクションをぐるっとまわると作品からでる強い磁力に刺激されて、結構疲れる。

書画コーナーに円山応挙のいい絵が2点あった。波頭を荒々しく表現した“波濤屏風図”と龍の頭から出ている白い
閃光と鋭い目に圧倒される“龍きん起雲図”。バークコレクション展に庶民の風俗を
生き生きと描いた英一蝶の“雨宿り風俗図屏風”がでていたが、これよりもっとく
だけたパロディ画がある。“見立業平涅槃図”で、釈迦入滅の場面を表した涅槃図
をパロッて、美男の在原業平が死んだのを多くの女性が嘆き悲しむ様子を描いている。

浮世絵で感激するのは歌川広重の梅にちなんだ名作。“江戸近郊八景之内・小金井橋
夕照”、“名所江戸百景・亀戸梅屋敷”、“同・蒲田の梅園”、“亀戸小室井梅園”。三枚
続きの鳥居清長作、“歓々楼遊興”、“見立浄瑠璃牛若丸”は“こんな遊び毎日でもした
いね”とにやけた旗本に言われそうな絵。

今回のお目当ては右の“平治物語絵巻”(六波羅行幸巻)。04年9月、日本ギャラリー
がリニューアルされたとき何年ぶりかで観た。あまり時間がたってないので、絵巻
全体を良く覚えている。四つの場面からなり、右は第一段の後半部分。内裏に幽閉
されてた二条天皇が女装し、敵からうまく逃れ、平清盛陣営に警護されて六波羅邸
に到着したところ。天皇の乗った牛車を迎える武士がまとってる黒や紺の鎧や衣装の
繊細な描写が見事。武士の甲冑姿以上に目にとまったのが馬のダイナミックな動き。
手綱をぐっとひかれて頭を下げる様子や鼻息あらく体を左右にひねる馬に釘付けに
なった。

現存する“平治物語絵巻”は3つある。残りの2つはまだお目にかかってない。5,6年
前ボストン美術館から里帰りした“三条殿夜討巻”と“信西巻”(重文、静嘉堂文庫)。
とくに平安京の放火事件を描いた“伴大納言絵巻”の炎上シーンと同じくらい迫真性の
ある炎がみられる“三条殿夜討巻”をいつかこの目でみたいと願っている。
なお、“六波羅行幸巻”の展示は3/19まで。

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コメント

こんばんは.

土曜日はありがとうございました.

”平治物語絵巻”は以前にもみていたのですが,土曜日にはじめて夜のシーンだと知りました.絵巻は本当に面白いですね.

投稿: おけはざま | 2006.02.21 01:37

to おけはざまさん
土曜日はお世話になりました。狩野一信の“五百羅漢図”を4つ+4つ
の目でみれたのがよかったですね。図録に解説がついてましたから、次回は
見落としたところを中心にみるつもりです。

“平治物語絵巻”は合戦絵巻の傑作ですね。女装の二条天皇を牛車に乗
せ、夜、内裏から脱出させるところと、最後の藤原信頼がこれを知り、地団駄
を踏んで悔しがる場面が見所ですね。緊迫感が伝わってくるのがすごいです。

投稿: いづつや | 2006.02.21 16:39

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