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2006.02.27

ダリの聖アントニウスの誘惑

315先週末はTVでいい美術番組が続いた。新日曜美術館で取り上げられたのがダリ。この時期なぜ、ダリなのかわからないが、冒頭、司会者がダリの生誕100年を記念した展覧会が東京、西日本で開催されることを案内していた。

上野の森美術館である回顧展(9/23~07/1/4)は知っているが、このほかは全く情報がない。ダリの絵が好きなので、9月のダリ展は今年開かれる洋画展では、フンデルトヴァッサー(4月、
京近美)とともに一番楽しみにしている展覧会である。

ダリは1904年生まれなので、スペインでは04年に生誕100年の記念展がフィ
ゲラス、バルセロナ、マドリッドで開催され、スペイン以外ではフィラデルフィア、
ヴェネツィア、ロッテルダムにも巡回した。だぶん、この展覧会のためと思うが、
昨年4月、ベルギーを旅行したとき、王立美術館の一番の目玉だった右の“聖アン
トニウスの誘惑”がフィラデルフィア美術館に貸し出し中で見れなかった。全身の
力が抜けてしまった。残念でならない。

ダリの絵は代表作の“記憶の固執”(MoMA)や“ナルシスの変貌”(テートブリテン)
などはみているが、まだ沢山残っている。画集に載ってる作品はピカソやミロと
いったビッグネームの画家と較べて、個人蔵が多いので、これらを鑑賞する機会
は限られてると思わざるを得ない。で、美術館に展示してある名画はなんとか
目の中に入れたいのだが。今、ターゲットにしているのは次の3点。
・“茹でたインゲン豆のある柔らかい構造”(フィラデルフィア美術館)
・“聖アントニウスの誘惑”(ベルギー王立美術館)
・“目覚めの直前、柘榴のまわりを一匹の蜜蜂が飛んで生じた夢”(スイス・ルガノ、
 テイッセン=ボルネミッサ財団)。

“聖アントニウスの誘惑”の密度が濃くて光沢のある画面に魅せられる。伝統的
な宗教画と違い、聖アントニウスを誘惑する悪魔が細長いクモの足を持つ馬や象と
なっているのが面白い。先頭の馬はたけり狂い、一番前の象の背中には肉欲を象徴
する美女が姿を現し、十字架を高く掲げる聖アントニウスを挑発する。この画題は
痩せこけた聖アントニウスが様々な幻覚に耐える場面を描くのが定番だが、シュル
レアリスト、ダリにかかると苦行のイメージが消え、不思議な清新さと幻想的な雰囲
気が伝わってくる。いつか、ベルギー王立美術館を再訪したい。

過去拙ブログでダリを記事にしたのは04/11/2804/12/1705/6/26

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コメント

いづつやさん、今、愛媛県美術館で「ダリ展」開催中です。
http://joho.ehime-iinet.or.jp/art/schedule/index.html
日本中のダリが集まるというのが売りの企画です。ダリの絵をまとめて見たのは今回が初めてだったのですが、色が澄んでいてとても美しかったこと、デッサンが精密であること、構図が計算され尽くしていること等、いろいろ気づかされました。

でも、残念ながら部屋に飾りたい絵は1枚もありませんでした。(^_^;)

投稿: リセ | 2006.02.27 23:33

to リセさん
西日本で開催されるというのは愛媛県美のダリ展もさしてるのでしょうね。
国内では諸橋美術館を見ましたから一段落です。9月のダリ展の案内に
はアメリカのダリ美術館が所有する代表作のひとつが載ってましたから、
すごく楽しみです。

クリムトの絵なら部屋に飾りたいと思いますが、ダリの絵はクリムトと同じ
くらい好きですけど、いつも向かいあうというものでもないですね。部屋の
明かりをちょっと落として、画集をじっくり見ながらイメージを膨らませる
というのが面白いのではないでしょうか。

投稿: いづつや | 2006.02.28 14:48

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