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2006.02.23

富本憲吉の色絵金銀彩飾壷

311陶芸家、富本憲吉の色絵磁器がどうしても観たくて、茨城県の笠間にある茨城県陶芸美術館へクルマを走らせた。

ここで今、“日本陶芸 100年の精華展”が開かれている(3/21まで)。明治から現代にいたる近現代陶器の代表作約160点が所狭しと飾られており、やきもの好きには相当ぐぐっとくる展覧会である。

03年10月、東芸大美術館で“工芸の世紀”という大きな展覧会があったが、この
ときの陶芸部門を拡大した感じ。陶芸界を代表するビックネームの優品を堪能
すると共に、まだ目が慣れてない現代陶芸家の陶芸オブジェを楽しんだ。現代アート
で関心があるのは絵画と陶芸。今回、面白い陶芸作品が数多くあった。大半は
はじめてみる作品で、陶芸家の名前は全く知らない。それらをいくつかあげると。

女性陶芸家のパイオニアという、坪井明日香の“歓楽の木の実”。1個の林檎と
重なり合う金彩の乳房にはエロスの香りが漂っている。これと似たタイプのオブジェ、
柳原睦夫作、“紺釉金銀彩花瓶”も刺激的。イサム・ノグチの作品を連想させる
のが栗木達介の“這行する輪態”。深見陶治が制作した青白磁の細長い板をシャ
ープに曲げた“瞬Ⅱ”からはステルス戦闘機の翼をイメージした。田嶋悦子の陶と
ガラスが組み合わされた作品からは、百合の花を思い浮かべると同時にお菓子の
ゼリーのようにもみえた。高い造形センスをもってる作家がインプットされたので、これ
からはその作品を意識して追っかけようと思う。

この展覧会のチラシを見てから、頭の中をぐるぐる回ってたのが右の富本憲吉作、
“色絵金銀彩四弁花模様飾壷”。色絵金銀彩の代表作中の代表作。あまりのすば
らしさに言葉がでない。銀地の菱形の枠に金彩で輪郭された赤の四弁花模様が
リズミカルに連続している。ぷっと膨らんだ壷の球体と四弁花の模様が一体化した
見事な作品。富本憲吉は“模様より模様を造らず”を信条とし、先人のどんなすばらし
い模様や造形も一切捨てて、自分が創作した“四弁花模様”や“羊歯模様”を使い、
品格ある作品を沢山つくった。頭抜けたデザイン感覚にただただ感服するばかり。

富本憲吉を取り上げた拙ブログは04/12/1906/2/9

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コメント

 掲出の写真・「色絵金銀彩飾壺」を拝見し、「どこかで見たような気がするぞ」と思って、2000年に横浜のそごう美術館で行われた「富本憲吉展」の図録を捲ってみましたが、載っていませんでした。
 そごう美術館での展示は、それまでに無く大規模なものでしたが、掲出写真の「色絵金銀彩飾壺」は展示されなかったのでしょう。
 この時に展示された「色絵金銀彩飾壺」は、羊歯模様で、円窓の中に「春夏秋冬」の文字が書かれていました。
 それにしても、富本憲吉はいいですね。琳派以上に装飾性の高いものがあるかと思えば、さりげない民芸調のものもあったりして。
 そごうの会場に、安堵村当時の富本氏が、二人のお嬢さんのために作った学校椅子が展示されておりました。
 お父さん手作りのあんな立派な椅子に腰掛けて学校生活を送った、富本氏のお嬢さんたちは、今、どうしているのでしょうか。
 このブログを見て、私はつい、そんな余計なことまで考えてしまいました。

投稿: daigofox | 2006.03.05 11:46

to daigofoxさん
羊歯文、四弁花文をリズミカルに連続させる色絵金銀彩に魅せられ
てます。この四弁花文飾壷は岐阜県現代陶芸美術館が所蔵するもの
です。講談社から04/3に刊行された“人間国宝の技と美 陶芸名品
集成”(3)の富本憲吉の頁にこれが載ってます。たぶん、これがベストでは
ないかとみてます。長く色絵磁器を追っかけてますが、たしかに感激度
は一番高かったです。

富本の生誕120年を記念して茨城県陶芸美術館で開催される回顧展
(9/30~12/3)を今から心待ちにしています。

投稿: いづつや | 2006.03.05 15:30

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