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2006.02.28

MOAの紅白梅図&名品展

316熱海のMOAでは毎年2月に国宝紅白梅図屏風(尾形光琳作)を展示している。あわせてほかの名品も沢山でてくる(3/8まで)。

昨年、念願の紅白梅図を見たので、今年はいいかなと思っていたが、HPで展示品をみると、館の図録に掲載されてる中国絵画や陶磁器で昨年でなかったものがいくつか並んでいた。紅白梅図以外の美術品は2年をワンサイクルにしており、今年見逃すと次は2年後になる。
昨年とのダブりはあるものの、これらを見るとおおよそMOAの美術品も一段落つく
ので、先月に引き続き、出かけた。

ここには南宋から元にかけて活躍した画家の優品がある。馬遠の“山水図”と
馬麟の“寒江独釣図”(共に重文)。縦長の山水画では、霞のなかに高くそびえる
山々を大きく表現し、右端にいる人物は大自然に溶け込むかのように小さく描
かれている。また、梁楷が2羽の鷺を簡略にささっと描いた“鷺図”にも魅了され
る。清時代の大きな花鳥画(孫億作)に驚いた。南宋のころには見られない青い
鳥が木の枝にとまっている。

尾形光琳の代表作、紅白梅図に再会した。昨年も感じたことだが、屏風の折れ曲
がってるあたりの痛みが激しい。右の紅梅は男が足をひろげて、体を後ろに反り
返らしてるようにみえる。ふと、フィギュアで金メダルを獲得した荒川選手の
得意技、イナバウアーを連想した。小枝がまっすぐ上に伸びてるのに対して、左
の白梅は幹が上から斜め下に下がり、小枝は横や下、上へと伸びている。白梅の
ほうが造形的には面白い。真ん中の水紋も左のほうがずっと複雑。右半分では
水流の曲がり方が整然としているが、左はリズミカルな動きではなく、水は生き
物のようにダイナミックに流れる方向を変えてる感じがする。次回はまた違って見
えるかもしれない。

右はMOAが誇る鍋島の優品、“色絵桃花文大皿”。鍋島の代名詞のような作品で
ある。鍋島の重文は3点あり、これはそのひとつ。大変気に入っている。典型的な
吉祥文で、葉をあしらった3個の桃果がなんともいえず美しい。ひたすら美しい。
左右の2個には赤で細かい点描を無数に打ち、桃の質感をだしている。鍋島の
魅力は高度な技術に裏打ちされた斬新な意匠と色使い。鍋島をずっと愛し続けよう
と思う。以前、拙ブログ05/7/3に戸栗美術館であった鍋島展をとりあげた。

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コメント

こんばんは


わたしも夏の戸栗を見てドキドキしておりました。

私は鍋島と高麗青磁が最愛です。
私が好きなのは色鍋島ですが、青磁染付もすてきですよね。
陶磁器は見る者と作品との距離が密接しているから、各人の対話が深い領域で繰り返されるように思います。
だから、とても静謐な空間にいる気分になるのです。
得難い時間がこのように美に満たされるのは、磁器の特性だろうと信じています。

投稿: 遊行七恵 | 2006.02.28 23:36

to 遊行七恵さん
鍋島には柿右衛門や古九谷とは違った何か研ぎ澄まされた美がありますね。
斬新な意匠をみるたびに、どうしてこんなモダンな文様を考え付いたのか?と
いつも唖然としてながめています。MOAの鍋島展(12/2~1/23)が楽しみです。

投稿: いづつや | 2006.03.01 11:28

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