畠山記念館の茶道具取り合わせ展
港区白金台にある畠山記念館を訪れた。まだ2回目なので、地下鉄都営浅草線高輪台駅を降りてからの道順に危うさはあったが、徐々に思い出し5分くらいで着いた。
ここは企画展はなく、館所蔵の茶道具を中心とした展示を年4回行っている(現在の展示は3/12まで)。館の創立者、畠山一清(1881~1971)が集めた茶道具などの美術工芸品は1300点くらいあるという。そのなかには国宝が6点、
重文が33点あり、コレクションの質は超一級。
記憶に新しいところでは2年前、根津美術館であった南宋絵画展に、ここの“林檎
花図”(国宝)という名画にお目にかかった。そのとき、中国の水墨画では多くの愛好
家が見たがってる牧谿(もっけい)作、“煙寺晩鐘図”(国宝)も出てくれば最高だったの
だが、残念ながら展示は無し。前回、学芸員の方に“煙寺晩鐘図はいつ頃出てくる
のでしょうか?”と聞いてみたら、今のところ公開の予定はないという返事だった。
古い絵なので保存にものすごく気を使ってるという。11年前にあった五島美術館の
牧谿展に出てから、随分間隔があいているのでそろそろ公開が近いかもしれない?
あまり、期待せず静かに待っていよう。
畠山一清は琳派の作品にも関心が高かったようで、琳派の画集に載ってるほどの
代表作をいくつか所蔵している。是非見たいと思い続けているのは尾形光琳の“躑躅
図”(つつじず、重文)と本阿弥光悦の赤楽茶碗だが、今回、その赤楽茶碗を観ること
ができた。右の“銘雪峯”(重文)。やっと願いが叶った。これは本阿弥光悦が焼いた
名品のひとつに数えられており、白釉のながれが峰に降り積もる雪に見えることから
この銘がついている。こぶりながら、丸みをもった胴に温かみがあり、強く惹きつけ
られる。“白楽茶碗 銘不二山”(国宝)、“黒楽茶碗 銘雨雲”(重文)はすでに見た
ので、残るは“赤楽茶碗 銘加賀”(重文)だけになった。
掛け軸がかけられている畳のところに、光琳が描いた丸々とした可愛い布袋の絵が
あった。これは大きな収穫。展示されてる陶磁器や絵画の数は多くないが、前回同様
見終わったあと、とてもいい気分になった。
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コメント
いづつやさん、こんばんは。
いづつやさんのブログを拝見し、おかげさまで私も「雪峯」を観ることができました。ありがとうございました!やはり素晴らしい茶碗でしたね。本阿弥光悦のアーティストとしての才能には本当に参ってしまいました。
それにしても畠山記念館の所蔵品の質の高さにも驚きました。いつか私も「林檎花図」を観てみたいです!
で、トラックバックさせていただきますね(^^ゞ
投稿: June | 2006.02.04 00:06
to Juneさん
光悦の“雪峯”はいい茶碗ですね。これはなかなか展覧会にでてこない
んです。五島美の“茶の湯名碗展”にも出品されませんでした。ここで
次回公開されるのは3,4年くらい先になるのでは思ってます。焼成時に
できた大きな火割れを漆と金粉で修理し(金繕い)、胴にアクセントをつ
くってるのが印象的ですね。光悦の茶碗は何度みてもいいです。
2/5から東京美術倶楽部ではじまる“大いなる遺産 美の伝統展”に陶磁
器の名品が集まります。国宝が4点もある、もの凄く贅沢な展覧会です。
お見逃しなく。長らく追っかけている国宝“玳玻天目茶碗”がでてきますの
でワクワクしてます。
投稿: いづつや | 2006.02.04 15:11