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2006.01.02

東博の初もうで展

261東京国立博物館の初もうで展(1/29まで)を観てきた。会場でばったりおけはざまさんと会い、一緒に美術談義をしながら、楽しく回った。

いつ頃からやっているのかわからないが、ここは正月、その年の干支にちなんだ絵画などの美術品を展示している。今年のテーマ“犬と吉祥の美術”には、犬が描かれたものと吉祥を表した作品が二つのコーナーに50点あまり展示されている。

いの一番にみたかったのは、円山応挙が寺の書院の杉戸に描いた右の“朝顔
狗子図杉戸”。円山応挙は可愛い子犬の絵を何点も描いているが、これはその代表
作。03年、大阪であった円山応挙の大回顧展では展示替えでみれず、残念な思
いをしたが、やっとリカバリーできた。清少納言ではないが小さいものは何でも可愛い。
日本画のなかで心を和ます子犬を描いてくれたのは琳派の俵屋宗達、尾形光琳
と円山応挙と応挙の弟子、長澤芦雪。

宗達や光琳の子犬は墨で描かれているのに対し、応挙が描くのはどこにでも見か
ける白や茶色の毛をした子犬。当然ながら、こちらのほうが和み度は大きい。それに
犬のしぐさが実にリアル。一番左の犬のように後ろ足をあげて顔をかく姿はまこと
に微笑ましくて、ほんわかする。江戸時代に入ってから犬は絵画だけでなく、工芸作品
にも多く出てくるようになる。安産や子供の健やかな成長を祈願して犬をあしらった工
芸品では、雪の上で遊ぶ14匹の子犬が刺繍された見事な帯や犬張子があった。

“吉祥”のところのお目当ては、雪村の“松鷹図”(重文)と伊藤若冲の“松樹・梅花・
孤鶴図”。“松鷹図”は追っかけていた絵。松の葉はさっさと筆を動かして描いた感じ
で、粗さもあるが、鋭い目をした二羽の鷹の体を少しひねった姿は威厳があり、画面
に緊張感をもたらしている。これと対照的なのが若冲の絵。真ん中に描かれた鶴の
体は異常に円く、超肥満鶴。こんな鶴は見たことがない。昨年ここでみた太った鶏の
ように漫画のような絵である。若冲にはユーモラスな絵がいくつもあるが、この絵
もそのタイプ。

若冲ほど多彩な技をもった絵師はいない。これらを使ってサイケデリックな細密花鳥画、
正統的な鶴や松の絵、モザイク風の鳥獣花木図屏風、点描風の石燈籠、漫画チック
な鶏、鶴、犬、野菜の絵を描いた。また、若冲にやられてしまった。

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コメント

こんばんは.

あの後は西洋美術館で好きな絵を眺めてから帰りました.

今日は楽しい時間を過ごすことが出来ました.ありがとうございました.奥様にもよろしくお伝えください.

投稿: おけはざま | 2006.01.02 23:59

to おけはざまさん
色々お話しができて楽しかったです。美術館のことや作品の鑑賞体験は
多くの人と交流し、語り合うほうが楽しくもあり、多くの情報が得られますね。
Takさんにオフ会を企画してくださいとお願いしときました。また、お会
いしましょう。

投稿: いづつや | 2006.01.03 14:55

はじめまして。
私も昨日、初もうでしてきました。
円山応挙の犬、かわいかったですね。
うちのブログでも、つたない記事にしましたので、TBさせてください。

投稿: 自由なランナー | 2006.01.04 08:38

to 自由ランナーさん
あけまして おめでとうございます。書き込み、TB有難うございます。
仙台の有名なブログの自由ランナーさんに書き込みをいただいて
恐縮しております。よろしくお願いします。

昨年、はじめて東博の初もうで特別展に出かけ、名品が出てたもの
ですから、今年は初日に訪問しました。応挙が描く子犬の絵はなんとも
可愛くて、ほっとします。長谷川等伯の松林図、洛中洛外図もでており、
豪華な新春展ですね。

投稿: いづつや | 2006.01.04 17:33

いづつやさん、あけましておめでとうございます。

私も2日に行きました。
もしかしたら気の付かない間にお会いしていたかもしれません。

伊藤若冲、またまた見せてくれました。
常設の方の作品が特に素晴らしいです!

東博の初もうで展は初めてでしたが、
この日はタダでしたし、
毎年行きたいと思います。

それでは今年もよろしくお願い致します。

投稿: はろるど | 2006.01.04 22:34

to はろるどさん
あけまして おめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

東博で会えればよかったですね。おけはざまさんと話しがはず
んで、楽しい初もうで展になりました。

平常展にでていた若冲の鶴の絵は白い羽が見事でしたね。
やはり若冲はすごいです。ここも若冲の作品を結構所蔵しています。
オフ会でまたお会いしましょう。

投稿: いづつや | 2006.01.04 23:06

あけましておめでとうございます。
楽しそうな展覧会のようですね。

今年も美術鑑賞の豊富な素敵な年であります様に

投稿: seedsbook | 2006.01.07 16:54

to seedsbookさん
あけまして おめでとうございます。今年もよろしくお願いします。東博の
初もうで・新春特別展には円山応挙、雪村、伊藤若冲のいい絵や
お正月に相応しい美術品がでています。昨年からみてるのですが、いい
企画です。この他、昨年時間をかけてみた“洛中洛外図”や長谷川等伯
の国宝 “松林図”なども420円の料金でみれますので、とてもお得で質
の高い展覧会となっています。

今年も西洋美術と日本・東洋美術をバランスよく鑑賞しようと思ってます。
これから開催される展覧会でseedsbookさんの目を楽しませる作品が
いくつもでてくればいいですが。ドイツや欧州における展覧会のこともお聞
かせください。

投稿: いづつや | 2006.01.07 18:51

こんばんは。

応挙は上手いというかずるいですよね~
これ誰が見ても「かわいい!」と思いますもの。
隣の息子さんの絵はここまでいってなかったですね。
父親越えられず。。。

TBさせていただきました。

投稿: Tak | 2006.01.17 23:06

to Takさん
日本画では可愛い子犬が描かれる事が多いです。宗達、光琳、
応挙、芦雪の作品には心を和ませる子犬がでてきます。また、
洛中洛外図や風俗画にも描き込まれてます。毛がふさふさした
パンダの子供とか子犬、ひよこなどは本当に可愛いですね。

投稿: いづつや | 2006.01.18 10:14

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東京国立博物館で開催中の 「博物館に初もうで 新春特集陳列「吉祥」」に行って来ました。 円山応挙はずるいです。 こんなに可愛く仔犬の絵を描くなんて。 「朝顔狗子図杉戸」 これくらい、カワイイ子犬描かれたらイチコロです。 合コンで「特技」として凄い威力発揮するでしょうね。 ずるいな〜応挙。 でも、可愛い絵が描けるというのは実は凄い力量あってのことだと 今回博物館の2階展示室で知らされました。 8室に展示してあった同じ応挙の「写生帖(丁帖)」を ... [続きを読む]

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