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2006.01.10

フンデルトヴァッサー

269京近美でフンデルトヴァッサーの回顧展(4/11~5/21)があるということがわかり、俄然楽しくなってきた。

早速、京近美に他の美術館への巡回があるか問い合わせると、今のところ無いとのことだった。だが、東京のどこかがオファーを出すかもしれない。そのときは二度観られる幸せを味わえばよい。まずは京都で楽しむことを決めた。

以前、倉敷の大原美術館と伊豆の池田20世紀美術館でフンデルトヴァッサー
の絵に出会い、すごく惹きつけられた思いはあるのだが、わずか2点ではこの画家
の作風を知るにはほど遠かった。それが、03年、ウィーンでおとぎの国のお城
みたいなフンデルトヴァサーハウスやクンストハウスに展示してある子供の絵かと
見紛う作品の数々をみて、オーストリアが生んだこの天才芸術家との距離がぐん
と縮まった(拙ブログ04/12/25)。

美術館になっているクンストハウス(1991年開館)には、フンデルトヴァッサーの
若き日の自画像のほか、観てて楽しくなる絵が何点も飾ってある。平面的で子供が
遊んで楽しむパズルのような絵というのが第一印象だった。黄色、赤、緑、青のメイン
カラーが画面いっぱいに氾濫している。どの画家と似てるかな?と思いをめぐらすと、
クレーの絵が頭に浮かんできた。でも、クレーの絵はこれほど色彩が輝いてない。

フンデルトヴァッサーの絵の中には同じようなフォルムがでてくる。そのひとつが渦巻
き模様。この画家は直線が嫌いで、不規則な渦巻き模様や曲線でアンチ合理主義
や自然志向を象徴している。また、百の力をもつ水という名前の通り、水が波打つ線
やモスクワにある聖ワリシー寺院を連想するタマネギ型の尖塔もよくでてくる。

作品中、最も印象深く、美しかったのが右の絵。建物と建物の間に描かれている黄色
の顔をみてると、ミュージカル“キャッツ”で猫に扮する役者がしていたメイキャップを
思い出す。また、面白いことにシュルレアリスムのダブルイメージがみられる。目、口と
横に建つ丸いネギ坊主の塔などをもつ家の列。もう一つは、顎の横線と川の水の流
れが重なっている。

この美術館にはどういうわけか図録がない。で、絵が描かれたポストカードよりすこし
大きめの厚紙プレートが13枚あったので、全部買いこんだ。一枚5ユーロ(当時600
円くらい)したので、高い図録代になったが、いまではこれを時々眺めて当時の感動を
リフレインしている。4月のフンデルトヴァッサー展が待ち遠しい。

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