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2006.01.28

高台寺蒔絵

286今回の京都美術館めぐりは例年この時期行われる寺社の非公開文化財の特別公開(1/14~3/19)と重なったため、普段みれない絵画や美術品にもお目にかかれ、大変充実したものになった。

2年前はバスツアーに入り、妙心寺や金閣寺にある絵などを見たが、この度は見たい所だけをタクシーで回った。一番の目玉が高台寺。まず、円徳院で長谷川等伯作の“山水図襖”(重文)を見た。

等伯が揮毫を申し出て、一度は断られるが、住職がいないのを見計らって描いた
という逸話で有名な襖絵である。雪のように見える雲母摺(きらず)りの桐花文の上
に余白をたっぷりとった山水が描かれている。とても構図のいい絵で、左右二箇
所に小さな点景となった人がみえる。

豊臣秀吉の正室北政所(ねね)が秀吉の菩提を弔うため1605年に創建した高台
寺の見所は、なんといっても秀吉と北政所の座像が祀られてる霊屋(おたまや、
重文)。桃山時代の漆工芸の粋を極めたといわれる“高台寺蒔絵”が施されてる
右の須弥檀や厨子の扉をやっと見ることができた。豪華な黒漆に金の蒔絵に声が
でない。単眼鏡も使いじっくりみた。

左側の北政所の像の扉には“竹と松”が、右の秀吉の扉には“風に揺れるすすきと
露”が描かれている。これをみて思い出すのは、秀吉の辞世の歌、“露と落ち露と
消えにし我が身かな 浪速のことも夢のまた夢”。この文様は夫を愛する北政所の
心情を表している。今回は本尊の“大随求菩薩像”(5cm)が見れたり、通常は
立ち入ることの出来ない、開山堂と霊屋を結ぶ階段廊“臥龍廊”を通行ことができた。
特別の年に京都を訪れ、長年の願いだった高台寺蒔絵を鑑賞できたことは大きな
喜びである。

また、長谷川等伯の代表作、“水墨山水画”(重文)と妙心寺隣華院で出会ったり、
相国寺の法堂の天井画“鳴き龍”も仰ぎ見た。満ち足りた気分で京都駅に向かった。

■■■■■今年前半展覧会情報(拙ブログ1/1)の更新■■■■■
国内の美術館で開催される下記の展覧会を追加。
★西洋美術
 1/7~3/26   ベッカー展          神奈川県近美葉山館
 1/28~3/19  ビュフェ石版画展      ニューオータニ美術館
 4/8~6/4    雪舟からポロックまで展   ブリジストン美術館
 6/3~7/30   ジャコメッティ展       神奈川県近美葉山館
 6/17~8/20  ルーブル美術館展     東京芸大美術館
 6/24~8/20  クレー展           川村記念美術館
★日本美術
 1/27~3/8   名品展・紅白梅図屏風   MOA
 2/16~5/14  開館10周年記念展    大山崎山荘美術館
 3/8~20     加山又造展         大丸神戸店
 3/25~4/9   18世紀京都画壇展    京都国立博物館
 3/28~5/27  美しき日本の四季展    鎌倉大谷記念美術館  
 

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コメント

こんばんは。
今日はご一緒していただきありがとうございました。
おかげで楽しい一日となりました。
講演会も勿論ですが
その後の新年会も良かったですね!

お話されていた京都の旅は
これだったのですね!!

また、近いうちに。是非。

投稿: Tak | 2006.01.29 00:04

to Takさん
toshi館長も交えた美術談義、楽しかったですね。まさに3プラスαの情報
でした。館長からはボルゲーゼ美術館の要予約のことを教えてもらい、助かり
ました。また、皆で集まる会をセッティングしてください。喜んで参加します。

京都の寺の非公開文化財特別公開は2度目ですが、今回も高台寺蒔絵や
長谷川等伯の山水画など収穫が多かったです。豪華な蒔絵を堪能しました。

投稿: いづつや | 2006.01.29 17:08

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