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2006.01.21

尾形光琳の大黒天図

280MOAはいつも企画展(今回は浮世絵展)と同じくらい併設展示の絵画と陶磁器(1/25まで)が目を楽しませてくれる。

とびっきり上等な琳派の絵と尾形乾山、京焼の野々村仁清などのやきものに毎度ながら、いい気分になった。今回は新春ということもあり、名品が並んでいる。

宗達は3点ある。源氏物語や伊勢物語を題材にしたのと可愛い子犬を描いた絵。
宗達の物語絵を観て楽しいのは色が鮮やかなことと、色白でまるっこく、柔らかい顔
をした男女が登場し、少女漫画風の夢見る世界に誘ってくれるから。伊勢物語の
“西の対”に描かれてる在原業平の衣装と山々の緑が際立っている。

尾形光琳にもいいのが揃っている。宗達の写しとされる大きな絵、“唐子に犬図”
がいい。女の子二人が犬と遊ぶ場面で、薄い青と朱の配色が無垢な子供たちに
ぴったり合っている。ユーモラスな“寿老人図”と右の“大黒天図”も味わい深い作品。
光琳の人物水墨画はこの二人と布袋を描いたものが多い。3人の顔はみんな
同じで、額がひろく、鼻はみじかく顎が張り、可愛くニコッとしている。この笑みを
たたえた福顔を見ただけでこちらにも幸運がやってきそうな気がする。

光琳は水墨画でも彩色画でも宗達の絵を手本とし、何点も写している。例えば
“風神・雷神”、“松島図”、“鴨図”など。でも、このユーモアにあふれる布袋図や
大黒天図は光琳独自の作風だ。水墨画の技法も宗達とは異なる。宗達がたらし
込みで墨の濃淡やにじみを多用したのに対し、光琳の墨の線はかなりシャープで、
さっさっと描いた感じがする。墨の薄いところと濃いところにも巧みにメリハリをつ
けており、その技量は相当高い。この俵の上に乗る大黒天図にも達者な筆さば
きがみてとれる。

光琳の絵はもう一点、面白いのがある。はじめてみる“虎図屏風”。出光美術館
でみた宗達の“龍虎図”とそっくりの虎が目の前にいた。虎だけの分、こちらの
ほうが迫力がある。正面を向いた虎の顔は宗達と同じだが、光琳流は尻尾を画面
の外に出し、一部だけをみせてるところ。こういうトリミングに光琳のセンスの良さ
がでている。新春から好きな宗達、光琳の絵を堪能した。

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