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2005.12.11

山種美術館の日本の四季展

240今年の日本画の見納めとして、“日本の四季・雪月花展”を開催中の山種美術館を訪れた。

年末、25日までが前期で、年が明けて1/5~22が後期となっている。作品数は通期の展示が19点、前期だけが20点(プラス歌川広重の浮世絵11点)、後期24点(浮世絵3点)。

日本画では馴染みの画題である“雪月花”にちなんだ名作が所狭しと飾られて
いる。中でも心を打たれるのがこれから本格的になる雪の景色を描いた作品。
名作が揃っている。江戸琳派の酒井抱一作、“飛雪白鷺図”は飛翔する一羽と、
水になかにいる白鷺を対比させ、その間に草と降り注ぐ白い雪を描く構図が秀逸。
白がこれほど綺麗にでるのは最上質の胡粉を用いているからであろう。

雪がたっぷり積もった竹の笹とその後ろに隠れるようにいる鳩を描いた上村松篁の
“竹雪”も美しい雪景色を表現した傑作。川合玉堂にもいい雪の絵がある。“湖畔
暮雪”と“雪志末久湖畔”。特に“湖畔暮雪”がいい。川合玉堂の絵をみると、いつ
も日本の雪はこんな風だなあーと心が和む。歌川広重と川合玉堂の絵ほど冬の
情景を感じさせてくれるものはない。小野竹喬の“冬樹”にみられる鮮やかな色彩
に心が揺すぶられる。赤と黄色で表された枯れ木が白い雲が浮かぶ青い空を背景
に凛として立っている。この絵はカラリスト、小野竹喬の代表作になっている。

今年もまた東山魁夷作、右の“年暮る”に出会った。何度観ても深い感動を覚える
名画である。近代日本画のなかで、冬の風景画としては最高の絵ではなかろうか。
年暮れる京都の街にしんしんと雪が降っている。画面一杯に描かれた雪の表現は
映画の一シーンをみてるよう。家の外はとても寒そうで、人一人いない。

魁夷の絵の多くは日本ではあまり対象にされなかった高原や北欧の風景を持ち色の
青で描いた作品であって、こうした街並みを俯瞰の構図で描いた風景画は珍しい。その
数少ない絵の一枚がこの絵。冬になると思い出され、感情移入できるこの“年暮る”
をみるたびに絵画のもってる大きな力を感じざるを得ない。

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» 年暮る [雪月花 季節を感じて]
 雪の舞った翌日は一陽来復。やや北風の強い冬至の日、京都の雪景色を見るため山種美術館を訪れました。「年暮る(としくるる)」─東山魁夷画伯の連作「京洛四季」の最後に描かれた作品です。数年前に初めて落款の入った完成品を見て以来、毎年この時期にこの絵を見に出かけます。  大晦日の夜の、町家の瓦屋根が身を寄せ合うようにひしめく京の町に降る雪、格子窓からもれる灯。一年を息災にすごせた安堵感が漂い、家族のだんらんや夜更かしをしてにぎやかに戯れる子ど�... [続きを読む]

受信: 2005.12.23 00:10

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