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2005.12.19

近代工芸の百年展

138工芸の名がつく展覧会に出向くようになったのは、03年山口県立美術館で開催された“日本伝統工芸展50年記念展”から。

日本や中国の陶磁器は古いものから現代作家のものまで、だいぶ前から鑑賞しているが、ほかの金工や染織などの分野には疎かった。それが日本伝統工芸展で名品の数々をみて、工芸品全般に興味が広がってきた。

東近美工芸館ではじまった所蔵品による“近代工芸の百年展”(12/10~
06/3/5)も昨年に引き続き2回目の鑑賞。地下鉄竹橋駅からちょっと歩く
工芸館へは昨年から頻繁に通ってるので、陶磁器以外の作品に目が馴染ん
できた。美術鑑賞というのは英語のヒアリング力と同じで、鑑賞する時間や
回数があるところに達すると、作品への理解度がステップ関数的に増加する。
決してリニアな進展ではない。そうすると、今まで見えなかった細かいとこ
ろまで注意が回るようになり、作家の技や表現しようとしているイメージが
よく見えてくる。

今、その地点にたどりつけるようにと熱心に見ているのが着物の衣装や染織。
青海波や帆立舟の伝統的な文様が華やかに映える喜多川平朗作、“能衣
装唐織黒絵段”や細い光る金糸を使った現代感覚あふれる模様が目を惹く
中村勝馬の“友禅訪問着”に釘付けになった。

陶芸のコーナーには定番の名品が並んでいる。浜田庄司、河井寛次郎、
富本憲吉、板谷波山。そのなかに交じって、ルネ・ラリックのガラス作品、“馬の
頭のカーマスコット”があった。河井世代以降の陶芸家では、三代徳田八十吉が
制作した、幾何学的抽象のような正円の鉢と加守田章二の独特な波文の壷が
強く印象に残る。

オブジェで気に入ったのが八木一夫の“黒陶 環”と右の中島晴美作、“苦闘
する形態Ⅴー1”。どちらも存在感のある作品で、はじめて観た。八木の光沢の
ある黒いドーナツを思わせる輪は一部表面が剥げ、中のくにゃくにゃ曲がった太い
電線のようなものが見える。じっとみているとイサム・ノグチの作品が頭に浮か
んできた。

中島晴美という作家は全く知らない。つるつるに磨いたさんご礁のような陶器に
描かれた水玉模様をみて、最初、草間彌生の作品ではないかと思った。クサマに
最近、惹きこまれているので、こういう水玉模様の作品をみるとテンションが上
がる。ユニークなフォルムを思いついた中島晴美という作家は、ほかにどんな作品
を創作しているのだろうか。俄然興味が涌いてきた。

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コメント

はじめまして
私も近代陶芸の百展は是非行ってみたいと思っております。
中島さんのHPを見つけました。

http://nakasima.vxx.jp/

女性かと思ったら男性だそうですね。

投稿: ゆたか | 2006.01.13 14:58

to ゆたかさん
はじめまして。書き込み有難うございます。中島晴美は男性ですね!
名前からてっきり女性とおもってましたが。HPを教えてくださいまし
て有難うございます。興味がますます涌いてきました。これからもよろ
しくお願いします。

投稿: いづつや | 2006.01.13 17:56

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