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2005.12.29

北大路魯山人と岡本家の人びと展

258川崎市岡本太郎美術館で“北大路魯山人と岡本家の人びと展”(06/1/9まで)が開催されてることは、“堂本尚郎展”をみるため訪問した世田谷美術館で偶然知った。

2階の平常展に稗田一穂らの日本画とともに北大路魯山人の陶器が沢山出ていた。贔屓にしている魯山人の作品がここにあるなんて予想だにしなかったので、胸はバクバク状態。

緑が目にしみる織部扇面体、赤の椿文が魅力的な鉢など30点ほどの優品に
大変満足して、帰ろうとしたとき、岡本太郎美術館の企画展のチラシが目に入り、
これが後日の生田緑地ドライブを後押しした。そして、ここで5月、横浜そごう美術
館でみた魯山人のコレクションを上回る素晴らしい陶器が待ってくれていた。美術
鑑賞には時々、こうした幸運の連鎖ある。

興奮気味に作品を見ているうち、なぜ世田谷美術館にチラシがあったのかがわ
かった。出品されてる107点のうち、51点が世田谷美の所蔵であった。調べてみ
ると、この陶磁器、書画、漆器はもとは世田谷在住で魯山人と交流のあった故
塩田岩治氏のコレクションで、夫人から寄贈されたものだった。全部で160点あま
りあるという。年に2回展示しており、それが12/24まであった平常展だった。

今年は5月(拙ブログ5/2)と6月(6/13)の2回、魯山人の作品に縁があった。
今回はそこでは観れなかったものすごく大きな鉢に出会った。右の“色絵雲錦文
大鉢”(世田谷美蔵)。桜と楓を意匠化した雲錦鉢は京焼の陶工仁阿弥道八が考案
したものだが、魯山人は同じ作風の尾形乾山の鉢に触発されて制作したらしい。
陶芸の目標である自然美を理想とした“雅美”を見事に表現している。京近美からも
魯山人本に載ってる“赤絵筋文皿”、“備前大鉢”などの代表作がでており、魯山人
の陶磁器としては予想以上の優品が集まっている。これほど質の高い陶磁器展
はなかなお目にかかれない。

北大路魯山人(1883~1959)は22歳から24歳まで、岡本太郎(1911~1996)
の祖父、書家の岡本可亭(1857~1919)の内弟子となり、岡本家に住み込み、
太郎の父、漫画家の一平(1886~1939)と一緒に過ごしている。岡本家とは一平、
妻で小説家のかの子(1889~1939)、太郎と三代にわたり交流を続けた魯山人は、
岡本太郎を自分の子供のように可愛がったという。

図録を読むとおもしろい話がいくつもでてくる。毒舌家で口の悪い魯山人と岡本太郎は
会うと最初はすぐ大喧嘩し、そのあとケロッとして酒を酌み交わしていたとか。身内の口
喧嘩はこんな感じ。また、岡本太郎が44歳のとき自宅で開いた実験茶会の際、送られ
てきた案内状の書をみて72歳の魯山人が絶賛したとか。。。

ビッグな二人の総合芸術家の作品を前にすると、気分は否が応でも昂揚する。大満足
の企画展であった。

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コメント

オッ、図録ができていたんですか。
というのは僕が行ったときはなかったので今回は作らないのかなと思っていたのです。
これはもう一度行きまして買いですね。
いづつやさんの美術館めぐりも今年は終わりでしょうか、新年は二日から開館している美術館が多く楽しみですねお互いに!

投稿: oki | 2005.12.29 23:15

to okiさん
北大路魯山人と岡本太郎はともに個性の強い芸術家ですから、
豪華な組み合わせになりましたね。魯山人の陶器が優品揃いで
嬉しさも倍増です。つくづく世田谷美の平常展を見てよかったなと
思いました。

本日銀座松屋でみた展覧会が今年の見納めになりました。来年は2日の
東博がスタートになりそうです。

投稿: いづつや | 2005.12.30 18:13

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