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2005.12.25

川崎市岡本太郎美術館

254衛星放送BS2で岡本太郎の特集を見て以来、いつか川崎市岡本太郎美術館を訪ねようと思っていたが、最近行った美術館で同館が企画する“北大路魯山人と岡本家の人びと展”のチラシが偶然目に入った。

魯山人の陶器には常日頃興味を抱いており、一石二鳥のいい機会なので、出かけてみた。1999年に開館したこの美術館は川崎市生田緑地のなかにある。東名高速を利用すると(川崎ICから
約10分)、家からは40分くらいで着いた。ここへ電車やバスを乗り継いでくるのは
ちょっと辛いかもしれない。

駐車場から美術館までは1kmほど歩くが、あまり見たことの無い背の高い木々を
ぬけていくので、気分がいい。ここへ四季折々来るのも悪くないなと、まず周りの
自然環境に魅せられた。館の中は岡本太郎の作品を鑑賞するのに相応しい展示
空間になっている。はじめてなのでどこをどう通ったのかよく分からないが、普通
の美術館の見せ方とは明らかに違う。現代アートの革新者、岡本太郎が制作した
観る者をあっと驚かす絵画や彫刻を博覧会のテーマ館で見てるような感じである。

こういう遊び心の一杯つまった空間に身を置くと緊張感がとれ、岡本太郎が具象
抽象画で表現しようとしているイメージに少し近づけたような気になる。拙ブログ8/3
でとりあげた“森の掟”や今、修復中の大壁画“明日の神話”の原画をじっくり見た。
赤、黒、黄色などを使い、形がなんとなく残ってる対象物と太い線や円や三角の
幾何学的な模様で画面を構成したこれらの絵を見ていると、自然のもつ生命力や
これを脅かそうとする工業の暴力性、権力の非情さ、人間の運命を切り開く強さが
伝わってくる。

岡本太郎の真骨頂である伝統や既成の様式にとらわれない自由な表現が楽しめる
のが彫刻やオブジェ。デザインの面白い“座ることを拒否する椅子”、“ひもの椅子”、
奇妙な形をした“マスク”、右の樹と人が融合したイメージをもつ“樹人”など色々ある。
また、子供が作ったのかと錯覚する陶磁やレリーフなどの小品が楽しい。これらを
見ると岡本太郎は絵画という一つの枠には収まりきらない総合芸術家ということがよく
分かる。近代日本が生んだ超一級のアーティストである。

いい美術館が見つかった。幸い、家から時間もかからないので定期的に訪問しよう
と思う。

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コメント

ここは企画展のたびに行ってます。
スタンプカードをもらったでしょう、四つたまると招待券がもらえるというー。
いづつやさんは川崎市民ミュージーアムには行かれますか?
もともと岡本太郎関係は市民ミュージーアムでやっていたのをわざわざ新しく美術館創ったんですねー。
それだけ岡本太郎の名前が知られたということでもありますね。
ちなみに僕の家からだと小田急向ヶ丘遊園であっというまです。

投稿: oki | 2005.12.26 00:00

to okiさん
情報というのは生き物みたいですね。世田谷美術館の平常展で全く
予期しなかった北大路魯山人の陶器をみて喜んでいたら、帰る間際
、川崎市岡本太郎美術館のチラシ“北大路魯山人と岡本家展”がとび
こんできました。なぜここにこのチラシがあったのかは、この美術館を
訪問して分かりました。世田谷美が所蔵してる魯山人の作品が沢山
でており、数の多さと質の高さにびっくりしました。世田谷にあった
魯山人の織部がここまでつれてきてくれたんですね。

川崎市民ミュージアムに岡本太郎の作品が展示されてることは知って
ましたが、行ったことはありません。岡本太郎美術館の敷地内にある
“母の塔”もいいですね。次回行くときはカメラを持参しようと隣の方
と話し合ってます。

投稿: いづつや | 2005.12.26 11:09

「北大路魯山人と岡本家の人びと」展にこれから行ってきます。
我が家は岡本太郎美術館がある生田緑地から徒歩20分にあるのですが、ここに引っ越してから同館の存在を知り、岡本太郎にも興味を持つようになりました。
『今日の芸術』(光文社)を持って行って、カフェテリアで読もうかと考えています。

投稿: yuriyuka | 2006.01.08 09:37

to yuriyukaさん
はじめまして。書き込み有難うございます。生田緑地から徒歩20分の
ところに住んでいらっしゃるとは羨ましいですね。散歩がてらに美術鑑賞
が出来ますね。展覧会の感想をよかったらまた、お聞かせください。
これからもよろしくお願いいたします。

投稿: いづつや | 2006.01.08 15:46

こんばんは。
岡本太郎美術館いって魯山人の展示のカタログを買ってきました。
「ピカソを超える太郎茶の湯の記」の抜粋が面白い、丁々発止していろんな遣り取りが実に面白いです。
帰りの電車で読みふけっていました。
岡本太郎は韓国にも行ってますよね。
今日は韓国からの団体客が美術館の案内と通訳を通じて鑑賞していました

投稿: oki | 2006.02.08 23:01

to okiさん
岡本太郎の茶会は面白いですね。大勢の文化人、芸術家がパフォ
ーマンスに参加し、岡本太郎のインスタレーションを楽しんでいるところ
が並ではないです。韓国にもTAROは人気があるのでしょうね。凄い
です。

投稿: いづつや | 2006.02.09 10:34

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