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2005.12.14

損保ジャパン美術館のグランマ・モーゼス

243池口史子展を行ってた損保ジャパン東郷青児美術館ではいつもふたつの楽しみがある。

お目当ての企画展と常時飾られてるゴッホの名画、“ひまわり”、モーゼスおばあさんの絵。“ひまわり”は言わずと知れたゴッホの代表作。企画展で昂揚したテンションはこの絵の前でまた上昇するが、その隣にあるモーゼスおばあさんの素朴な絵を2,3点みてるうちに肩の力がぬけ、気持ちも静まってくる。

子供が描いたような絵であるが、なぜか心が和む。季節に合わせて作品を飾って
いるが、所蔵数はたしか20数点くらいだった思う。足を運ぶたびに購入する絵葉書
がかなり増えてきた。もう少しで済みマークになる。だいぶ前、ここではじめてモー
ゼスおばあさんの絵に接し、その画歴に驚いた。80歳のとき、絵がアメリカ中
に知れ渡り、国民的な関心を集めたという。今から65年前、1940年の頃である。
それから101歳で亡くなるまで描き続ける。そのパワーは驚異的。今年1月、Bunka
muraで開催された初の回顧展を鑑賞した人の多くはグランマ・モーゼスから勇気
と元気をもらったのではなかろうか。

右の絵は先日訪れたときに展示したあった“ワゥ!(止まれ!)”。98歳のときの
作品。あたり一面に積もった雪のなか、雪が降り止むのを待ってたように子供たちは
赤いそりで遊び、家の前では馬が勢いよく駆け回る。画面の上のほうには家が
あり、そこへ続く坂道を荷物を載せた2頭立ての馬車が登っていく。遠近法ではなく
手前の高台から見下ろすように描かれたアメリカの田舎の冬景色にしばし足が止
まる。アメリカの地方都市には縁が無いが、いちど見たケンタッキー州の牧場が
こんな感じだった。

アメリカではクリスマスシーズンになると、ブランマ・モーゼスの雪の絵が入ったカードが
良く売れるという。一般庶民にとって、カードに綴る愛情、思いやり、いたわりの心を
託すのに、モーゼスおばあさんの絵が一番ふさわしいのかもしれない。

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