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2005.12.24

庄司紗矢香のブラームスバイオリン協奏曲

253本日未明、BS2で庄司紗矢香の演奏を聴いた。先週からNHK音楽祭を放送中で、最初が五嶋みどりで今週が庄司紗矢香。

16歳の史上最年少でパガニーニ国際バイオリンコンクールで優勝し、世界の注目をあびてからはや6年がたち、はにかみやの天才少女もいまや光輝く大人の演奏家へと成長。

これまで彼女の演奏で聴いたのはチャイコフスキー、ショスタコービッチ、シベリ
ウスのコンチェルト(拙ブログ04/12/15)。今回演じるのはブラームスで、東洋人の
血をひいてるのかと思わせるギルバート率いる北ドイツ放送響との共演。パガニー
ニコンクールで評価されたということはテクニックは超一流であることは誰もが認め
るところ。歴史に名を残すバイオリンの名手になれるかどうかは作曲家の曲想をよく
心に刻み、聴く人に強く訴えられる演奏を行うことが出来るかで決まる。

ブラームスが45歳のとき作曲したこのバイオリン協奏曲は交響曲のようなコンチェルト
で、ほかの曲と較べ、演奏がはじまってからソリストが弾きだすまでかなり間隔があく。
1楽章での聴かせどころである透明な美しい旋律を庄司はめりはりよく弾いている。
のびのびとした手の動きは演奏するのが楽しくてしょうがないという感じ。管弦楽の髭を
はやしたオーボエ奏者はかなりの名手。

歌のような旋律が心に響く2楽章はソリストの腕の見せどころ。ちょっと気になったの
はティンパニの音が大きいこと。しかも、どろん々している。よく聴くパールマンの演奏
ではオーケストラの音量は押さえ気味で、目をつむるとパールマンのバイオリンの
音色がまるで歌ってるように心地よく伝わってくる。庄司紗矢香の腕は確かでも管弦楽
との関係で演奏全体の印象が随分変る。最後に盛り上がる3楽章に入ると、ブラーム
スの魅力が全開。バックと庄司のバイオリン演奏が小気味よく掛け合い、こちらの
テンションも上がっていく。

演奏を終えた庄司紗矢香の顔はさわやかで、その表情からは自信のようなものが
窺がえる。まだ、二十代の前半なのにこれだけの演奏をし、観衆を魅了するのだから
すごい。また、あの笑顔に吸い込まれそうになり、拍手をしてしまった。五嶋みどりと
このバイオリニストの演奏だけは早く生で聴きたいと願っている。

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コメント

いづつやさま、はじめまして。「雪月花 季節を感じて」の雪月花です。当方にお越しいただきまして有難うございました。こちらにご挨拶とお返事を残させていただきます。

古今東西を問わず幅広く文化芸術論を展開されていらっしゃるので、時折参考にさせていただいております。蕪村の「夜色楼台図」が東博の平常展に出るとは存じませんでした。これはわたしも楽しみに待ちましょう。絵画にしろ音楽にしろ、よいものにできるだけじかに触れる機会を多く持ちたいものです。今後もいづつやさまの鑑賞記録を楽しみに伺いますので、よろしくお願いいたします。よい年をお迎えください。

投稿: 雪月花 | 2005.12.25 15:06

to 雪月花さん
世の中にある文化現象を記号のように受けとめて楽しもうと、いろんな
ことに首をつっこんでおります。雪月花さんのブログで“年暮る”と
“夜色楼台図”のことがでてきましたので、冬のなると同じ絵を
思い浮かべる方がおられたんだと、大変嬉しくなりました。

蕪村の“夜色楼台図”は東博の所蔵ですので、いつか平常展で見せて
くれるだろうと首を長くして待ってます。これを見ると東博の名品は完了
するのですが。これからもよろしくお願いします。
よい年をお迎え下さい。

投稿: いづつや | 2005.12.25 17:43

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受信: 2006.01.20 19:04

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