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2005.11.25

エトルリアの世界展

543新装オープンした九段下のイタリア文化会館に“エトルリアの世界展”(10/30~12/11)を観るため、今月の初めに行ったのだが、その運営はいかにもイタリア人らしくアバウト。

どこかの派遣会社からきたと思われるスタッフは展示の内容がしっかり頭に入ってなく、チラシの目玉に使われてる金の装飾品がどこにあるのかと尋ねても解答に右往左往し、10分くらいたってやっと責任者らしき女性が出てきて、“この作品は実は出展が中止になりました”と答える始末。これ、お金をとって見せてる展覧会なの?と苦笑いしてしまった。

もっと可笑しかったのは、“隣でイタリア現代美術展もやっておりますのでどうぞ”と
いうので進んでみると展示コーナーのサインが無く、また戻って聞くと“黒いカーテンの
向こうです”。手書きでも何でもいいから“○○はこちら“くらいの案内してくれたら
いいのに。。ここにはスタッフは誰もおらず、作品の飾ってある場所がにわかには掴
めない。もらったパンフレットでどうにか絵画と彫刻作品、仮面を確認できた。

運営はハチャメチャだが、飾ってある現代絵画はすごくいい。これだからイタリア人は
憎めない。はじめて知る画家であるが、カタラーニの“トウガラシの凱旋”、デ・ルイージ
の“魚たちの夢”に魅せられた。また、意表をつくのがピストレットが制作した“エト
ルリア人”という金ぴかのブロンズ像。この肖像彫刻はガラス板の前に置かれてい
るので、観る者はこの像の正面は見えない。ガラスに映る姿でそれを観ることになる。
こんな彫刻ははじめてみた。面白い発想である。最近行かれたはろるどさんによると、
ここは現在、警備上の都合でクローズになってるらしい。ガードマンや人件費に金
をかけたくないのだろう。新イタリア文化会館はなぜか混乱している。

メインディッシュの“エトルリアの世界展”で期待してたのは、エトルリア美術を代表
するテラコッタ造形芸術の最高傑作、“夫婦横臥像の棺”と似たような作品だったが、
これは無謀な願いだった。確かに男性や女性が横たわる棺はあることはあるが、彫り
の滑らかさや柔らかさは“夫婦横臥像”には及ぶべくもない。一番楽しかったのは
右の“王座に載るカノーポ型骨壷”(部分)。壷のふたは人間の頭をかたどっている。
そして、容器の上のところに4体の女性立像がくっついている。こんな奇妙な壷は見
たことない。もう一点、面白い形をした“女性のカノーボ型骨壷”がある。いずれも一度
みたら忘れられない作品。

収穫は現代絵画の秀作と“エトルリア人”、骨壷。エトルリアの細長いブロンズ像が
彫刻家ジャコメッティに霊感を与えたと言われるが、ここにも細身の戦士像が4体並ん
でいる。これを見れたのも貴重な機会であった。

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コメント

こんばんは。
本当にアバウトな感じでしたよね。
おかげで現代美術の方を見ることができませんでした…。

石棺は結構期待していったのですが、
あの程度(失礼な言い方かもしれませんが。)なのでしょうか?
少し残念でした。

>カノーポ型骨壷

これは面白かったですよね。
初めて見るような造形でした。

投稿: はろるど | 2005.11.26 01:21

はじめまして。
はろるどさんのご紹介で飛んでまいりました。
エトルリア文明はケルト文明との交流があったことで関心があるのですが、それが一番よく分かる金の装飾品の展示は無かったのですか、何とも残念なことですね。
他の記事も拝見させていただきます♪

投稿: gem | 2005.11.26 12:49

to はろるどさん
石棺はさほどでも無かったですね。カノーポ型骨壷は2点とも惹き
つけられました。目に焼きついてます。これだけでもいいです。エトルリア
美術はなかなか見れませんから。

現代美術展は惜しいですね。数は少ないですが、現代絵画は魅力的です。
発表しておいて、キャンセルするのはお粗末ですね。まあ、展覧会は
イタリア文化会館にとってはオマケですから、途中でイヤになったんでしょ
う。イタリア人らしいです。笑って許してあげましょう。大好きなルネサンス
の国ですから。

投稿: いづつや | 2005.11.26 22:50

to gemさん
はじめまして、書き込み有難うございます。チラシにのってる金の装飾
品は出品されてないのですが、替わりのものがあります。ですが、
装飾性はかなり落ちます。残念です。

天才肌のイタリア人ですから、チラシの2点が出てこなくてもたいした
ことないと思ってるのでしょう。こちらも鷹揚にいきましょう。
これからもよろしくお願いします。お気軽に起こし下さい。

投稿: いづつや | 2005.11.26 23:04

こんばんは。
さすがイタリア!って感じで
ある意味良かったです。
ああでなくちゃラテン系。

日本に居ながらにして
イタリアンな気分になれました。
少しだけ。

投稿: Tak | 2005.12.09 23:11

to Takさん
エトルリア展は会期を延長したのですか。イタリア人らしいですね。
アバウトですから、細かいことは気にしない。これでいいです。ダヴィンチ
を生んだ国ですから。

投稿: いづつや | 2005.12.10 00:14

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 最近、イタリアにかぶれている私ですが、古代ローマの文化に大きな影響を与えたエトルリアの遺物が展示されるということで、九段南のイタリア文化会館まで『エトルリアの世界展』を観にいってきました。  エトルリアの歴史は紀元前8世紀頃に始まり、ローマに吸収される紀元前4世紀頃まで続きます。勢力範囲は最盛期で現在のトスカーナ州付近を中心に北はエミリア・ロマーニャ州から、ウンブリア州、ラツィオ州、カンパーニャ州まで及んでいました。ちなみにエトルリアと一言に言ってもその形態は都市国家の集まりであり、... [続きを読む]

受信: 2005.12.04 21:41

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イタリア文化会館で開催中の 「エトルリアの世界」展に行って来ました。 何でもイタリア文化会館が全面的な建て替え工事を終えて 装いも新たに九段の地にオープンしたそうです。 以前レオナルド・ダ・ヴィンチのシンポジウムの際に頂いた イタリア文化会館の「PROGRAMMA」の冒頭のあいさつ文です。 2005年を締め括る9月からの4ヶ月は、新しいイタリア文化会館が完成することにより、その歴史のなかで大きな一歩がしるされることになります。新しい会館はここ東京でイタリア文化を紹介、... [続きを読む]

受信: 2005.12.09 23:10

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