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2005.11.21

モネの積み藁

221現在、渋谷のBunkamuraで開催中の“スコットランド国立美術館展”にモネが描いた積み藁の傑作が展示されている。

右がその“積み藁、雪の効果”。周りに飾ってある、シスレーやブータンの名作がかすむくらいこの“積み藁”は光輝いている。

至近距離から描かれた二つの積みとその陰が強い印象を与えてるのに対し、
中景の木立や家並みは一部が見えるだけで、ほとんどフォルムをなしてない。
場面は冬の農村であるが、モネは見たままの積み藁を描いてなく、想像力を膨
らませて自分の心象風景を象徴的に表現している。一編の詩を聴くようである。

この絵を見るのは二度目。最初に見たのは15年前。仕事でロンドンに出張し
てた時、幸運にもロイヤル・アカデミーで開かれていた“モネの連作展”に出くわ
し、2時間並んで見た。モネの人気は絶大で3ヶ月の会期に50万人が入場し
たという。1890年代に描いた15からなるモティーフの連作のうち、積み藁、
ひなげし、ポプラ並木、ルーアン大聖堂、睡蓮などから選ばれた80点がオルセー、
ボストン、シカゴ、メトロポリタンなど印象派コレクションで有名な美術館から
集められていた。日本からも国立西洋美のポプラ並木など5点がでていた。

モネが連作を最初に手がけた“積み藁”は14点あり、そこにスコットランド国立美の
絵があった。いずれも、朝日、夕陽、霧の中など違った光によって色彩が色々
変る様子を描いている。光の魔術師、モネの誕生である。1890~1891年に
描かれた積み藁は25点あるが、構図で分けると積み藁が二つあるのと一つしか
ないのがある。右の“積み藁、雪の効果”と同じタイプの絵はメトロポリタン、シカゴ
、シェルバーンからもやってきていた。どれも心を打つ名画。

スコットランド美展の情報を入手したとき、この積み藁が含まれことがわかり、開幕
を心待ちにしていた。モネ好きにとってはたまらない輝きと強さを持った絵である。
この絵の前でテンションが一気に上がった。他にも名画がいくつもある。足が止まっ
たのはコローの4点、ドービニーの“花咲く果樹園”、クールベの“峡谷の川”、ブー
タンの4点、ドガの“開演前”、マネのリトグラフ、“内戦”、シスレーの“モールジーの
ダム、ハンプトンコート”、モリゾの“庭にいる女と子供”、ミレイの“優しき目は常に
変らず”、マクタガートの“魚を釣る子供たち”、ハッチソンの“苺とクリーム”、マクジョ
ージの“ギャロウェイ地方の泥炭地”。

全体的にみると、モネの“積み藁”、シスレーの“ダム”、ドービニーの“花咲く果樹
園”、ミレイの“優しき目は常に変らず”の4点が目に焼きついている。
なお、会期は12/25まで。

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