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2005.11.11

吉野石膏コレクションのルノワール

213山形駅の近くにある山形美術館を訪れたのは、日本画家、小松均の代表作“最上川源流”が展示してあるのを期待してのこと。

この絵は“昭和の日本画100選”に入ってるので、是非とも観たかったのだが、残念ながら平常展示にでてなかった。日本画にはよくあることで、気落ちすることでもない。

で、セカンドベストであった吉野石膏コレクションの鑑賞に頭を切り替えた。半年
くらい前、仙台出身のJuneさんにこのコレクションのことを教えてもらい、旅行ガイ
ドブックで事前にチェックしていた。これらの作品は、1991年から山形美術館に
寄託され、2階に常設展示コーナーが設けられている。本には、近代フランス
絵画を代表する画家の作品が充実していると記されているが、期待値はニュート
ラルだった。が、飾られてる絵を一つ々鑑賞していくうちに、これは質の高い作品
群だということが分かってきた。

コロー、ミレーからはじまり、マネ、クールベ、モネ、シスレー、ピサロ、ルノワール、
セザンヌ、ゴッホ、ユトリロ、ブラマンク、ルオー、ピカソ、シャガール、ローランサン、
ミロ、カンディンスキーまである。粒が揃っているのにちょっと興奮気味。オランダ時代の
ゴッホ作、“雪原で薪を集める人びと”にまず、驚かされる。構図がいい。真っ白な雪
の野原を4人の家族が薪を背中に担いだり、脇に持ち、家路を急ぐ姿からは、冬の生
活の厳しさがひしひしと伝わってくる。左斜め後ろの雪原に沈む赤い太陽が、苦し
い生活が続いても心に持ち続ける希望を象徴してるのかもしれない。

作品の数が多いのがルノアール(10点)とシャガール(13点)。ルノアールに素晴ら
しいのがあった。右の“幼年期”。1891年の作だから、プーシキン美展に出品され
てた“黒い服の娘たち”(1880~1882年)の10年あとに描かれたものである。
10人いると10人ともこの絵は女の子を描いたと思うだろうが、実は男の子。この頃、
フランスの良家では男の子に女の子の格好をさせる習慣があったという。この絵の
モデルは絵画コレクターでルノワールの友人だった人の子供。白と薄茶色の穏やかな
色彩で幼児の柔らかい肌とふっくらとした顔を表現している。心が和む名作である。

これで日本にあるMyルノアールが3点になった。他の2点はブリジストン美の“すわる
ジョルジェット・シャルパンティエ嬢”とポーラ美の“レースの帽子の少女”。この地
でルノワールの名作に会えるとは予想だにしなかった。山形美術館、恐るべし。

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コメント

いづつやさん、こんばんは。
何と山形美術館にいらっしゃったのですね!ルノアールをお気に召されたようで...(^^)。目の肥えたいづつやさんのお気に入りになった「幼年期」を私ももう一度観たくなりました。
確かにルノアールの絵の登場人物はいつも人を和ませるものがありますね。私はまだポーラ美術館に行ったことがないのですが、いつか「レースの帽子の少女」も観てみたいものです。
で、ゴッホと言えば、偶然にブレーシャで「ゴッホ、ゴーギャンとミレー展」を観てしまいました!
http://www.lineadombra.it/client_eng/
ミレーの影響がよくわかる展覧会で、なかなか見応えもある充実の内容でした♪

投稿: June | 2005.11.13 00:27

to Juneさん
山形美術館にある吉野石膏コレクションはいい絵を揃えてますね。
Juneさんのお陰で、このコレクションが頭に入ってましたから、すぐ本気
モードで目をかっと開いてみました。情報有難うございました。モネの
睡蓮も入ってて嬉しかったです。また、モネと見紛うシスレーの“モレの
ポプラ並木”、“モレ・シュル・ロワン”にも魅せられました。図録に珠玉の
フランス近代絵画と謳ってますが、その通りですね。

ルノワールの“幼年期”をみてびっくりしました。吉野一族の眼力は
かなり高いですね。参りました。ポーラ美の印象派コレクションは来年
1/2から2/26まで、Bunkamuraで出張展示されますよ。ルノワールの
“レースの帽子の少女”も出てきます。箱根で開催した記念展を東京に
持ってくるようです。お楽しみ下さい。

Juneさんのイタリア美術旅行記、拝見してます。精力的に回られてま
すね。プレーシャの“ゴッホ、ゴーギャン、ミレー展”、HPでみただけでも
凄い作品がでてますね。ゴーギャンの作品、よさそうですね。羨ましいです。

投稿: いづつや | 2005.11.13 17:15

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