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2005.11.20

益子濱田窯三代展

220京都、大山崎山荘美術館には、アサヒビール初代社長山本氏(1893~1966)が収集した河井寛次郎、濱田庄司、バーナード・リーチら民芸派作家の陶器が多く所蔵されている。

そのうち、山本氏の濱田庄司コレクションは300点以上あるという。この美術館を訪れたのは有名なモネの絵と現在、ここで開かれている濱田庄司、晋作、友緒三代展(12/11まで)を観るためだった。

これまで、濱田庄司の陶器は大原美術館や日本民芸館(拙ブログ04/12/3)、
5月に訪れた益子の参考館(5/1)で観る機会があった。河井寛次郎の個展と比べ、
見る回数が少なかったが、益子行きで一挙にその差が縮まった。そのため、
今回、ここに出ている作品には多少余裕をもって接することが出来た。館所蔵に
加え、益子参考館のも一緒に展示してある。そのいくつかは覚えている。
濱田の一番の魅力である大鉢、“青釉流描大鉢”があった。柄杓に入れた釉薬を
一気に流し掛ける“流掛”を濱田は得意とし、緑の地に勢いよく黒と白のばね文様を
描いている。日本民芸館にあるのと同じタイプの大鉢である。

今回、はじめてお目にかかったのが庄司の息子、晋作と孫の友緒(ともお)の作品。二人の存在すら知らなかった。83歳で濱田庄司が亡くなった後、父の仕事は息子、晋作(現在76歳)に受け継がれ、益子の濱田窯で作陶がなされている。晋作の作品を見ると、つくづく職人芸だなと思う。父の残した技法をしっかり学び、実に堅実な陶器をつくっている。渋い作品が多い。文様は丹精すぎて、庄司のような力強さ、伸び伸びしたものが感じられない。だから、文様の無い藍一色の“塩釉藍面取花瓶”の方に魅せられる。

庄司のDNAを受け継いでるのは孫の友緒のほう。まさに隔世遺伝。現在、
37歳。逸材である。はじめて、この作家の陶器を見たが、将来の大物を予感させる。
右は非凡な色使いと造形感覚を窺がわせる“青柿掛分凹面取赤絵角皿”。角皿を
丁寧に凹面に面取りし、九谷を連想させるような色付けをしている。現代感覚溢れる
作品である。友緒の作品でびっくりさせられたのは大胆に中央をくり貫いた“柿釉
鎬赤絵琵琶形扁壷”(かきぐすりしのぎあかえびわがたへんこ)。若い感性と自由な
発想で創作されたこの壷をみると、次はどんな造形表現を見せてくれるのかと
期待が膨らむ。才能豊かな陶芸家をみつけた。今後、濱田友緒の作品から目が離せない。

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