大アンコールワット展
横浜そごうで開催されてる“大アンコールワット展”は大きな感動が得られる展覧会である。開館記念とかの名がつく企画展は過去の経験から言えば、二重丸のことが多い。
今回はそごう美術館の開館20周年を記念して、カンボジアのプノンペン国立博物館が所蔵するアンコール時代(6世紀から15世紀)につくられた砂岩、青銅の彫像を82点展示している。
小さい頃から、神秘のアンコールワットはいつか見てみたいなと思わせる世界的
な遺跡であった。1992年、世界遺産に指定されている。だが、この遺跡は政治的
混乱により、長く世界の人々の目から消えていた。現在は日本をはじめ各国の
協力を得て、修復が進み、保存、維持のための人的、資金的な環境が整備され
てきた。日本では上智大学の学術調査チームが新たな発見、現地スタッフの人材
育成などで大きな貢献をしている。
展示されてる彫像は砂岩のものが大多数を占める。深く感動する作品は12世紀末
~13世紀初頭につくられたバイヨン様式のもの。拙ブログ8/15にとりあげたのと
同じくらい美しい彫像が2点でている。ひとつは右の“ジャヤヴァルマン7世の
頭部”。威厳を秘めて瞑想する男性の姿は力強く、迫真性に満ちている。と同時
に、口元は微笑んでる(アンコールの微笑みと呼ばれている)ようにも見え、その美
しさは比類がない。頭の形は異なるが、もう一つの傑作、“ひざまずくプラジュー
ナーパーラミタ”にもバイヨン様式の面貌表現の特徴である太い眉、大きな鼻、
厚い唇、静かに結ばれた口元がみられる。そして、この女性もかすかな微笑みを
たたえている。
この2点より100年くらい前、同じ砂岩から制作された仏像、“ナーガの上に座る
ブッダ像”も心が癒される素晴らしい作品。これは、悟りをひらいたブッダがその直後
に悟りの内容を思い起こしながら瞑想していた時、蛇王ムチリンダというナーガ(蛇)
が地中から現れ、ブッダを風雨から護ったという説話をもとにしている。三重の
とぐろを巻く蛇身を台座にして瞑想するブッダの顔はふくよかで本当に綺麗。じっとみ
ているとトロッとしてくる。昔、ギメ美術館展にでてたクメール彫刻を鑑賞したときに
味わった感動が蘇った。そごう美術館に感謝。なお、展示は12/18まで。
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