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2005.10.15

狩野探幽の鵜飼図

189大倉集古館では今、所蔵品の“狩野派展”が開催されている。12年前、横山大観が描いた近代日本画の傑作、“夜桜”をみるため、はじめてホテルオークラの隣にあるこの美術館を訪れた。

この美術館に対する好感度は、このときに受けた厚意で他よりことのほか高い。閉館30分前に到着したわれわれを、館の人が気前よく、料金をとらず入れてくれたのである。こういう扱いを受けたのは後にも先にもこの美術館しか
ない。以来、ここを贔屓にし、収蔵品を定期的に鑑賞している。

大倉喜八郎が集めた美術品の質は一級。一度に全部は出てこないが、国宝の
“普賢菩薩騎象図”、“随身庭騎図”、“古今和歌集序”をはじめ、日本画、浮世絵、
近代日本画、陶磁器、工芸品の名品が揃っている。根津美術館の“光琳展”
にも、現在、ここの乾山作、“銹絵寿老六角皿”(重文)がでている。この六角皿は
根津美の後、東博の“伊万里、京焼展”にもはしごする。また、近代日本画の
コレクションも有名で、大観の“夜桜”や前田青邨の“洞窟の頼朝”などの傑作
を所蔵している。

10/7からはじまった“狩野派展”も優品がでている。前期(10/7~11/13)の目玉
が右の狩野探幽作、“鵜飼図”(重文)。後期(11/15~12/18)の楽しみは
久隅守景の“賀茂競馬・宇治茶摘図”(重文)。若くして江戸狩野派の総帥になった
狩野探幽は“鵜飼図”(部分)のような風俗画も描いている。探幽の絵というと二
条城に描いたや鷹や南禅寺の虎をすぐイメージするので、最初、この絵をみたとき
は意外な落差にとまどった。

これは有名な長良川の鵜飼を題材にしている。鵜を自在に操る鵜匠の機敏な動き
と必死に魚をとる鵜たちの様子が臨場感一杯に表現されている。上のほうではこの
光景を貴人が舟上から眺めている。川のまわりにたちこめる金雲、松、山々の緑、
そして川の薄い青の取り合わせが絶妙で、見てて楽しくなる絵である。このほかにも
探幽に続く、狩野派の名手たちの作品がいくつもある。後期の展示も見逃せない。

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