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2005.10.26

モネの睡蓮

813先週、京都にある美術館をいくつか回った。その一つがアサヒビール大山崎山荘美術館

開催中の陶芸展に関心があったのと有名なモネの睡蓮を是非とも見たかったので、阪急に乗り、美術館をめざした。大山崎駅の前で館が所有するバスが送迎サービスをしてくれるので助かる。

ここにある睡蓮に出会ったのは03年、森美術館の開館記念展覧会。それが右の絵。
大きなキャンバスに描かれた睡蓮の白とピンクと紫が美しく輝いていた。モネの
大ファンでこれまで内外の睡蓮の連作シリーズを鑑賞してきたが、感激度では五本
の指に入る素晴らしい作品だった。

地下の新館に展示してある右の睡蓮と再会して、左右を見回すと同じくらい魅力
的な睡蓮がほかに3点もある。あまりに豪華な揃い踏みに二度びっくり。図録をみる
ともう3点ある。全部で7点。よく集めたものだ。制作時期でいうと、1点が1907年、
5点が1914~1917年、1点が1918~1924年に描かれたものである。

モネが描いた睡蓮の連作は200点くらいあるが、描かれた時期によって作風、
キャンバスの大きさが異なる。第1期が1899~1900年、これらは日本の太鼓
橋と睡蓮を描いたもの、第2期が1903~1908年、この時期に制作されたも
のは画面全体が池の水面で占められている。第3期が1914~1926年、白内障
による目の衰えに悩まされて描くのを止めてたモネが、再び筆をとった1914年
からオランジュリー美術館にある大装飾画を完成させる1926年までの作品。

ここにある第3期の睡蓮では、キャンバスが大きくなり、横1.5m、2mがスタン
ダードになる。視力の衰えをカバーするため、モネは大きな画面に睡蓮を描い
ている。日本にある代表的な睡蓮を見てみると、この3期の1914~1917年
あたりに制作された大きな絵が多い。3期でも1918年以降は、内面を表出
する表現主義的になり、池の水面や睡蓮の花を濃い色で表現するようになって
くるが、1917年くらいまでの作品はそこまで色は濃くなく、花の白や赤、茎の
緑、水面の紫が鮮やかで、見ていてすごく豊かな気分にさせてくれる。
My睡蓮のベスト3(順位は無し)は、国立西洋美術館の睡蓮(1916)、MOAの
黄色い睡蓮(1917)、そして右の睡蓮(1914~1917)。

このほかにも日本には大原美(1906)、ブリジストン(1903)、ポーラ美
(1899、1907)などが所蔵する人気の睡蓮がある。これらは1期、2期に属し、
初期の印象派的なものやロココ風の繊細で優美な色彩と装飾性を表現した
軽快な作品である。因みに、プーシキン美術館展に出品されている白が印象
的な睡蓮は1899年に描かれたもの。

噂に聞いていた大山崎山荘美術館の睡蓮のコレクションをこの目で確かめ、
大きな満足が得られた。次回訪問するときは残りの3点を観てみたい。来年2月
にある10周年記念展がチャンスかもしれない。

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コメント

こんばんは.
「睡蓮」大好きです.

高校時代に初めて買った絵葉書はブリヂストンの「睡蓮」(1907)でした.川村記念美術館で同じく1907年の「睡蓮」をみたとき,構図はまったく一緒なんですが,花が咲いているのに気がつき感動したことを思い出しました.

ポーラ美術館の「睡蓮」はまだ見ていません.
まとめて見たいなあ.
『睡蓮展』って出来ませんかね.

投稿: おけはざま | 2005.10.27 00:11

いづつやさんのお話聞いていると
あれもこれもどれもがステキに思えてみんな観たくなります
私は観た作品忘れている事も多いのですが、
これだけ憶えているのは感動・関心の深さでしょうか・・

投稿: えみ丸 | 2005.10.27 20:11

to おけはざまさん
日本人は花鳥画に馴染みがありますから、モネの絵の中では睡蓮が
好きという人は多いですね。それもあって、日本にはいい睡蓮が
沢山ありますね。川村記念館の“睡蓮の池”は1994年、名古屋で
あったモネ展で観ました。いい絵ですね。このとき、ブリジストンの同名
の絵もでてました。最近では、03年、広島で開催されたモネ&ルノワール
展にでてた泉美術館所蔵の睡蓮(1907)が赤丸でした。

1990年、ロンドンに出張したとき、幸運にもモネの睡蓮などの連作を
世界中から80点集めた大回顧展に出くわし、2時間並んで見ました。
オルセー、メトロポリタン、シカゴ、ボストンなどの有名美術館からの
作品に交って、日本からは埼玉県美の積みわら、国立西洋美、イセ美、
MOAのポプラ並木、ひろしま美、国立西洋美のセーヌ河の朝の6点
がでてました。この展覧会は、ボストン、シカゴ、ロンドンで開催され
たのですが、ロンドンの来場者は50万人ありました。モネはやはり
人気がありますね。こうした大規模な連作展をまた、観てみたいです。

投稿: いづつや | 2005.10.28 16:01

to えみ丸さん
はじめて大山崎山荘美の睡蓮を見たとき、跳び上がるくらいびっくり
しました。大きな絵で、画面の下半分に集まった睡蓮の花のピンク、
白、紫、そのまわりの茎の緑が輝いてました。これほどうっとりす
る睡蓮はあまりみたことがありません。

こんな睡蓮が日本にあるなんて嬉しいではないですか。眼力のある
日本人コレクターに感謝、々です。

投稿: いづつや | 2005.10.28 16:42

「アサヒビール大山崎山」
今ネットで所蔵作品観ましたが、質が高いですね
今まで京都はお寺や仏像ばかりでしたが、これじゃこのために行きたいですね
前回は土門拳写真集の好きな作品の追っかけをしたのですが、今度は美術館かな・・

投稿: えみ丸 | 2005.10.28 20:56

to えみ丸さん
大山崎山荘の睡蓮は粒が揃ってます。モネのなかでもとくに睡蓮が
好きなのでしょうね。これに対して、松方コレクションには睡蓮や、
ポプラ並木などモネの作品がいろいろあります。

睡蓮に限って言えば、大山崎山荘のは美しさが際立ってます。とにかく
感動します。来年2月の記念展にはモネは全部でるのではないでしょうか。
期待して待ちたいと思います。

投稿: いづつや | 2005.10.29 19:49

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