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2005.10.12

東博の中国絵画名品展

18610、11月は中国絵画を鑑賞する絶好の場所がある。それは東博・東洋館で、毎年この時期、所蔵品、寄託品のなかから優品を展示してくれる。

日本の水墨画、やまと絵に影響を与えた中国絵画に接することの出来るいい機会なので、見逃さないようにしている。一回にでてくるのは20点あまりと少ないが、作品の質が高いので、いつも大きな満足が得られる。

今年は前期(宋時代)、後期(元・明・清時代)に分けられ、前期では国宝が5点
でている。昨年、根津美術館で開催された大規模な南宋絵画展のエキスをぎゅっと
集めたような感じである。中国絵画では宋時代に傑作が多い。その中心は水墨
風景画であるが、右の“紅白芙蓉図”(国宝)のような花鳥画や猿や昆虫を描いた
もの、人物画といろいろある。感動した作品は“紅白芙蓉図”、“夏景山水図”(国宝)、
“瀟湘臥遊図巻”(しょうしょうがゆうずかん、国宝)、“寒江独釣図”(重文)、“五龍
図巻”(重文)。

“紅白芙蓉図”はこれで3度目の対面だが、毎回いい気持ちになる。白の芙蓉より、
こちらの赤のほうに魅せられる。一番驚くのが花の色がよくでていて、生き生き
してるのと、無背景なのに、手前にある満開の花と奥の開きかけで赤が多い花が
立体的にみえるところ。“夏景山水図”の見所は左側から吹く強風で横に流される
文人高士の衣服や髪。はじめてこの絵をみたとき、画面全体に表現された山や
川に吹き荒れる風で、こちらまで吹き飛ばされるような錯覚を覚えた。日本の風景画
でこんなに自然の気を感ずる絵は無い。これはMy中国画に入れてるお気に入り
の一品。

東博自慢の“瀟湘臥遊図巻”も水墨風景画の傑作。山が海に接するところをじっくり
見ると、海上に漁師と舟がすごく小さく描き込まれている。ぼやっとみていると見
落とすくらい小さい。このような点景を味わうのも中国絵画の楽しみ方のひとつ。
日本画にも龍を描いた絵は沢山あるが、“五龍図巻”にでてくる龍のポーズはちょ
っとユニーク。普通、龍は横の動きで描かれることが多いが、ここの龍は画面の
中央に集められ、真正面を向いてる。見る側に向かってくる感じなので、射すくめ
られる。

ここの中国絵画にもはだいぶ目が慣れてきた。あと一回くらいで、済みになりそう。
展示は11/27まで。

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コメント

お世話になっております 
半年以上も前の記事にお送りするのもなんですが 
ご容赦ください
巷間 プライス夫妻コレクションが 話題ですが
会場の別館の一室で ひっそりと 「特別展示」として
中国絵画をかざってありました
さる台湾のお金持ちの寄贈とか
取り上げられた「芙蓉図」には(・・・観たいなあ)
及ぶべくもないでしょうが なかなかのものと
当方風情は思いまして 眼へのご馳走にいたしました

それなりの懐というか 蓄積なのでしょうか
秋口の告知を 当方も楽しみにしたく存じます
それでは ご健筆を

追伸 別項「名古屋ボストン」
意外に取り上げている方がおらず 
ここで見つけ 嬉しく感じました

投稿: TADDY K. | 2006.07.19 12:53

to TADDY Kさん
はじめまして。書き込み有難うございます。中国画を見る機会が普段ない
ものですから、東博東洋館の平常展はいつもチェックしてます。中国の
花鳥図は日本のより色が鮮やかで大きく描かれることが多いので、印象に
強く残ります。今回の特別展示をみてみます。情報有難うございました。
これからもよろしくお願いします。

投稿: いづつや | 2006.07.19 18:09

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