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2005.10.28

森田曠平の屏風絵

202日本橋三越は今年、日本美術院関連の展覧会をよく開催する。1月の“岡倉天心と日本美術院展”に引き続き、今度は“再興院展 90回の歩み展”である(10/18~30)。

日本美術院には横山大観、小林古径、前田青邨らの錚々たる画家が属し、創設者、岡倉天心の遺志を受け継ぎ、近代日本画の発展を主導してきた。同人たちの作品はそのまま日本画を代表するものが多く、現在も平山郁夫や女流
画家の片岡球子などは毎年、出品している。スター画家の集団である日本美術院
はプロ野球で言えば巨人のような存在である。

院展の開催を楽しみにしている日本画愛好家は多く、今回も大勢の人が駆けつけて
いた。3つある展示会場をみて、これは出展数と質とも期待できそうだなと昂ぶる気持
ちを抑えながら、作品を見て回った。全部で126点ある。多いだけでなく、ブランド
画家のいい絵がかなりある。一部、1月の展示とダブルのがあるが、赤丸の作品
だったのでほっとした。これなら納得がいくし、嬉しい気持ちになる。

その一つは岩崎英遠の“神々とファラオ”。砂漠を進む駱駝の上にガリバーのような
巨大なファラオが蜃気楼のように現れている。古代エジプトを象徴する印象深い作品で
ある。北澤映月の絵が1月にも出ていたが、今回も面白いのがあった。山種美で
最近、樋口一葉を描いたいい絵をみて、この画家が高い技量の持ち主であることが
わかってきた。とくに惹きつけられた“舞妓”では他の日本画家が決してやらない描き
方をしている。これに驚かされた。扇子を持ち座ってる舞妓の鼻の線がマティスのよう
に緑の線になっている。ありゃら。。日本画家は西洋画をよく研究しているので、北澤
はマティスの真似をしたくなったのだろうか。自由な絵心をもった画家である。

はじめてみる作品で一番嬉しかったのは森田曠平(こうへい)が描いた右の“惜春
(盲目物語)”。常日頃、この画家の回顧展に出会うのを強く願っている。昔、山種美に
ある代表作、“出雲阿国”を見て以来、その作品に注目しているが、まだ、数点しか
お目にかかってない。“惜春”は京近美の所蔵で、谷崎潤一郎の“盲目物語”を
題材にした作品。森田は歴史人物画を得意としており、不幸な運命を辿る浅井長政と
妻お市の方が、桜の下でお茶々らの舞をみている場面を描いている。右下隅に
いるのは物語の語り部、盲目の弥一。金地に満々の桜を咲かせ、衣装も紋様まで
細かく、色鮮やかに描いた実に華麗な絵である。顔は男も女もふっくらとし、ちょっと
釣りあがった鋭い目に特徴がある。インパクトのある目と華やかな画風がこの画家
の最大の魅力。

今回、今村紫紅、前田青邨、小林古径、安田靫彦、奥村土牛、近藤浩一路、小茂田
青樹、小倉遊亀、片岡球子、中村岳陵らビッグネーム画家の名作が沢山でている。
これだけ質の高い日本画を見る機会はそう無い。三越には失礼な言い方になるかも
しれないが、ここで展示するのはもったいないような展覧会であった。

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コメント

いづつやさんこんばんは。
僕は招待券なくてどうしようかと思ってたら目黒区美術館においてあったのでただで入れました。
けど入場口でお金払って券を求めている人がいたのは美術院の実力でしょうか。
おっしゃるように森田の作品、タイムスリップしたような感覚と桜が妖艶でいまだに眼に焼きついてます。

投稿: oki | 2005.10.28 23:45

to okiさん
森田の絵がどのくらいあるのかつかめてないのですが、1点でも
多く鑑賞したいと思ってます。今回の“惜春”は京近美にあること
は知ってましたから、感慨深くみました。江戸初期の風俗画をみるよ
うな楽しさもありますね。他にもいい絵がありましたが、既に見たのも
あり、この絵が一番の収穫でした。

投稿: いづつや | 2005.10.29 23:13

昨日吉祥寺で古本屋で展覧会カタログ見てましたら、森田のこの作品が東急百貨店で以前開催された「女性を描いた作品展」のような展覧会で出品されていたことを知りました。
僕ははじめてみましたが、「惜春」はメジャーなんですかね?

投稿: oki | 2005.11.01 00:09

to okiさん
森田の“惜春”は山種にある“出雲阿国”に次ぐ名画ではないかと思っ
てます。森田は京都の出身ですので、京近美がいい絵を所蔵しており、
その中の“惜春”と“京へ”が館の図録に掲載されてます。“京へ”は
昔見たので、“惜春”に会えるのを待ってました。東近美では森田の
作品は一度しか見たことがありません。

投稿: いづつや | 2005.11.01 18:37

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