棟方板画美術館
鎌倉にある棟方板画美術館を再度訪れた。小さな美術館ではあるが、棟方志功の専門館として棟方の代表作を所蔵している。
年に4回の展示で、展示期間は長い。今の“飛神の柵”は3/26から9/25まで。2月、訪れたときは“東海道棟方板画”が飾ってあった(拙ブログ2/28)。
今回は墨一色の板画と彩色板画合わせて20点くらいでている。なかには過去に
あった棟方志功展でみた馴染みの作品もあった。白黒板画でベートーベンの交響曲
第9番に因んだ“歓喜頌”というのがある。裸体の人間が間隔をあけず、びっちり描
いてある。じっくり数えると9人いた。また、宇宙の4神を飛翔する天人像に表した
“宇宙頌”にも心がなごむ。
棟方志功の色彩板画をみると、いつもその色彩感覚に驚かされる。強く印象に
残る色は朱というか赤。“谷崎歌々板画柵”は谷崎潤一郎が詠んだ24の和歌をも
とに棟方が板画したもの。これまで4回くらい見たが、一つ一つに味がある。
和歌の文字や絵を余白をとらず、細かく密に描いてるが、色の使い方が上手いのか、
ビジーという感じがしない。和歌がイメージする風景や人間の感情が伝わってくる。
はじめてみた作品で気に入ったのが右の“飛神(とびかみ)の柵”。棟方志功
65歳の時の板画。これは神の使徒である神馬と姫君が艱難辛苦の後共に天高く
舞い上がって神になり、さらに蚕に変身して人間に幸福をもたらすという巫女(いたこ)
の祭文を絵にしたもの。巫女たちは桑の木で作った男女一対の素朴な偶像を両手
にもって舞い、豊穣を祈るという。東北地方の民間信仰がもとになっている。
背景の赤が印象的。下の男と上の女の体には縄文土器や土偶にみられるぜんまい
のような装飾的な曲線紋様が彫られている。素朴ではあるが、あのねぶた祭りの
明るさも感じられる面白い絵である。ここにはまだお目にかかってない板画がある。
まめに通うことにしよう。
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コメント
こんにちは。 いづつやさん。
先日、拙blogでお知らせした
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=368
新聞掲載の件ですが、
先ほど日経さんから電話があり、
明日(7日)の夕刊に掲載予定とのことでした。
BLUE HEAVEN中心の記事になるようです。
記事は後日拙blogにupします。
取り急ぎご連絡まで。
これからも宜しくお願い致します。
投稿: Tak | 2005.09.06 17:17
to Takさん
連絡有難うございます。明日の夕刊に決まりましたか。めでたいこと
です。凄い、凄い。夕刊買い求めますのでコピーは結構です。
投稿: いづつや | 2005.09.06 19:04